7.中部電力浜岡原発のリスクは東電福島第一原発より大きい
浜岡原発の設計構造と耐震強度の想定は甘い。
近年中に予測されている東海沖地震が起きれば、福島原発以上の大惨事は免れない。
- 巨大な東海沖地震がいつ起きてもおかしくない:地震のリスクに対する想定が甘い
(1) 長年研究は続いているが、まだ国内の地震予知の成功例はない。 3月11日の東北地方太平洋沖地震はまったく予測されていなかった。
(2) 東海沖地震は、過去の地震の研究と想定震源域の詳細な観測が行われており、発生時期がもっともよく予測されている地震です。 静岡県内陸〜紀伊半島沖〜四国沖にかけて、フィリピン海プレートが、毎年4cmの速さで日本列島の下へ沈みこんでいます。そして100〜150年ごとにプレート境界型巨大地震が起っています。前々回の宝永東海地震から前回の安政東海地震まで147年でした。前回の安政東海地震から2010年現在で160年たちました。この間、御前崎は毎年5ミリ沈み込み、総計約1メートル位沈み込んで、地震を起こす大きなエネルギーがたまっています。いつ地震が起きてもおかしくない状況である。
(3) 浜岡原発の耐震強度は予測されている東海沖地震に耐えられない。 2009年、M6.5の中規模な駿河湾地震の際、最新の5号機は耐震設計強度限界近くまで揺れ、原子炉の制御棒駆動装置等が故障、地盤の不等沈下が多数発生した。浜岡原発は、想定される東海地震の震源域の中心にあり、東海地震が単独で起きた場合、マグニチュードM8、震度6強から7と想定されている。 東海・南海連動型地震の可能性もあり、この場合はM9の巨大地震が起きる。
- 津波のリスクに対する想定が甘い。
(1)津波の想定高さは6mに設定されている。東海地震発生時、津波の高さは10m超と予測され、
その破壊力で浜岡原発前面の砂丘を破壊して乗り越え、敷地内に侵入して機器類を損傷する。
(2)冷却系に必要な海水が確保できなくなり、炉の冷却機能を喪失する。 ・津波の土砂により、取水トンネルが閉塞する ・地盤の隆起によって取水トンネルが破壊される ・津波の引き波のため海水面が下がり、取水できない状態が続く
- 中部電力が発表した対策
福島原発事故後、原発と砂丘の間に高さ15メートルの防波壁を1.5キロ程度にわたって設置する。さらに、原子炉建屋の入り口などの防水構造の扉を2重にする。工期は約2年間。
- 地盤のリスクに対する想定が甘い
・国と電力会社はこれまで原発周辺の活断層のリスクを過少評価してきた
(1)原発から8km以内に8本の活断層が存在し、原発敷地内にはH断層系と呼ばれる4本の断層(活断層の疑いがある)が走っている。地震発生時には亀裂、段差を生じて、原子炉、給水ポンプ蒸気タービン間の配管に切断が起きる可能性が大きいことを専門家が指摘している。 ・国と中部電力は、これは地震を起こしたり、地震に伴い動くものではないと主張している。
(2)地盤 浜岡原発の基礎岩盤、相良(さがら)層は、概ね数百万年から1千万年前に堆積した泥岩・砂岩の互層で 軟岩に分類されている。研究者は原発敷地の地盤としては不適切と判断している。
(3)原子力安全委員会は、東電福島原発事故後の4月28日、全国の原発周辺にある断層の影響を再検討することなどを、経済産業省原子力安全・」保安院に求めた。 国内の全原発が対象で、保安院は電力事業者らに地質調査など行うように指示する方針。安全委は、調査済の断層だけでなく、「リニアメント」と呼ばれている直線状にずれた地形なども再調査を要請した。 ・ この調査には数年を要すると見込まれている。
- 停電のリスク
・浜岡原発を止めても、中部電力は十分電気はまかなえます
|