マラッカで元気にやっています
<<シニア海外ボランティア:マレーシア情報=第3便=>>
永い間ご無沙汰してしまいましたが,皆さんお元気ですか?
私がマラッカに来たのが去年の12月15日,早いもので,もう1年が過ぎてしまいました。
以下にマラッカ情報第3報を記述します.
<1.学校情報>
1−1.生徒のプロジェクト活動
私が勤務する高等技術職業訓練校マラッカ校(Advanced Technology Training School)では,最終学年生は7月から12月の6ヶ月間かけてプロジェクト活動に専念することになっている。自分たちがこれまでに学んできた技術を使って,自分たちのアイデアによるハードウエアやソフトウエアを創作する。
この最終プレゼンテーションに参加を求められ,意見や,助言をした。 学校側としてはこれまで世の中に無い斬新な物を作って欲しいと希望しているが,先生も生徒もあまり世の中の技術情報,商品情報を知らないため,自分らでは新しいアイデアと思っているが,私から見て斬新なアイデアは一つも無かった。インターネットを使って,色々な情報を集める方法を教えることが大切だと思った。
インターネットを使うためには英語力がある程度必要であり,やはり英語の大切さを講師はもとより,生徒にもしっかりと教えることが大切だと思った。
全体的に,テーマ選択の背景,目的,目標,等の説明がはっきりせず,システム構成を示すブロック図を提示したチームは一つも無かった。 “こんなものを作りました.ああそうなの!”という感じです。
どうも,講師から生徒に対してプロジェクト活動を開始するに当たっての注意事項が,明確に説明されていないようである。
約70%のチームが作品完成まで到達できず,時間切れで最後はなんとなく終わってしまう。日程を管理する力もまだまだこれからという感じである。
1−2. メカトロニクス科の講師&生徒にセミナー実施
このセミナーは最初,講師を対象に実施しようと思っていたが,メカトロニクス科の課長がメカトロニクス科の全生徒にも聞いてもらった方が良いということで,2時間ほどのプログラムを組んだ. テーマは“プロジェクトをスタートさせるに当たっての注意事項を分かりやすく解説する”こととし,下記について解説した。
* どうしてそのテーマを選択したのか,そのニーズ・背景を分かりやすく説明すること.
* テーマの目的は何なのかを簡潔に記述すること.
* 何をどの程度までやるのか? 目標を数値で設定すること.
* その目標を達成するための手段(アイデア)は何なのかを記述すること.
* 複数のアイデアから最適なアイデアを選択する方法(決定分析)の解説.
* 日程&予算計画
* プロジェクト活動についての考察(解ったこと,解らなかったこと,反省点)を記述する.
以上のような順序で発表資料をまとめれば多くの人に分かってもらえるということを,Power Pointの資料をプロジェクターで投影し,英語で解説した。
当校の講師陣,生徒達はかなり英語を苦手としているのでどの程度理解してもらえたか疑問である。
このセミナーには学長も聴講に現れ,後日,生産工学課の講師に私の資料を使って生徒の説明するように指示したそうである。
1−3.他の職業訓練校との技術交流
マラッカの北500kmほどのKulimにある同じ系統のADTEC Kulim職業訓練校に須山さんというシニアボランティアがいる。 2人で相談して学校同士で技術交換会をやり,設備操作技術,教材等を共有しあったほうが全体の技術向上が効率的に進むのではないかと考え,その第一歩として私からロボット技術を紹介することになった。
ADTEC Kulim 校にも私の学校とほぼ同じのロボットが7台ほどあり,そのうちの2台が動かないというので,早速トラブルシューティングのやり方,実際の確認手順などを解説しながら,2台のロボットの問題点を追及していった。 幸いにも2台ともトラブルを解決することが出来た。
私が作成したロボット教材も提供し,その内容についてメカトロニクス科の講師に解説し,活発なQ&Aがあった。
私が驚いたのは,ADTEC Kulim 校の講師陣は大変英語が上手で,意思の疎通にぜんぜん問題を感じさせなかった。
私の学校では,約半数の講師が英語をしゃべるのが苦手で,意思の疎通に問題を感じていた。 同じ系統の学校でも,学校間でこれほど差があるのかと驚いたしだいである。
今回の出張はメカトロニクス課の課長と2人で私の車を使って往復したが,マレーシアは高速道路がかなり整備されていて非常に走りやすく,片道約6時間運転はそれ程苦にはならない。
<2.旅行&趣味情報>
2−1.妻と2人でチェンマイで働いている長男を訪ねる
10月初めに妻と一緒にタイ国チェンマイで今年の4月から働いている長男を訪ねました。長男が会社の車と運転手を用意してくれたお陰で大変楽にチェンマイ観光を楽しむことが出来ました。
1日目の夜はタイ料理とナイトバザールを楽しみました。 ナイトバザールはお店の数,規模において,これほどまでのものは今までに見たことがありません。1,000店以上の店がひしめき合って並んでいて,世界各国からの観光客が買い物を楽しんでいました。
2日目は山の中にある,象キャンプを訪れ,象の各種のショーを見て,その後,妻と一緒に象の背中に乗って30分間,山の中のアップダウンを楽しみました. 椅子は相当揺れますが,そのリズムはとても気持ちの良いもので,もっと長時間乗っていたい気持ちでした。

帰りにタイシルクのお店に寄って,買い物を少々楽しみました。
夜は,タイの伝統舞踏を楽しみながら,夕食を食べ,チェンマイの夜を大いに楽しむことが出来ました。
子供の案内で観光地を廻るのは,今回が初めてですが,長男の成長ぶりに,妻ともども,何ともいえないいい気持ちになりました。
2−2.友人のシニアボランティアとペナン旅行
11月5,6,7日友人のシニアボランティア和田さんを誘って車でペナンまで行ってきました。走行距離は合計で1,300km程になりました。
マレーシアでは高速道路の通行料金が400kmでRM 50.00(\1,400),ガソリンが\40/Lと非常に安いので,車での旅行はかなり経済的です。
宿泊はペナンで有名なビーチ,バツーヘリンギに最初に立てられたというLone Pine Hotelにしました。 ラマダン中だったのでお客が非常に少なく,ホテルもビーチも大変すいていました。 海は前回行ったティオマン島ほどきれいではなく,クラゲがいるとかで,誰一人泳いでいる人はいませんでした。皆ホテルのプールで泳いでいました。
私は海辺で乗馬を楽しみました。一日目は15分間乗り(約1,400円),2日目は30分間乗り(約2,200円)ました。 かなり訓練はされているようで,一人で乗ってもまあまあ思い通りに乗りこなすことが出来ました。
ホテルのプールでのんびりと過ごしたり,車でペナン島を一周したり,有名なペナン丘のケーブルカーに乗ったり,ペナンで一番高いコムタビルに上がって眺望を楽しんだりと2泊3日の旅を満喫しました。
2−3.乗馬コンペで準優勝賞
私が乗馬に通っているジョホールバール近くのクラブでインハウスの乗馬大会がありました。 私は馬場馬術に3種目,ジャンピング競技に3種目エントリーしました。この大会にはマレーシアの国際審判員も招待され,採点とビデオを見ながらの解説をしてくれました。
参加者は最高齢の私を除くと,30歳代が30%で残りは全て小学生,中学生です。 シンガポールに住んでいる比較的裕福な家族が自分たちの子供に乗馬をさせるために,料金の安いマレーシアまで通ってくるのです。
ジャンピング競技で運良く11人中2位に選ばれました。 久しぶりに競技会に出て,心わくわく,緊張しましたが.競技が終わったあとの開放感,若いライダーたちとの楽しいおしゃべり,等で大いに若返った気持ちになりました。 普段殆ど緊張することがなくなってきた私でしたが,たまにはこのように緊張する場面に自分を置くことが大切なことだなと感じました。
<3.1ヶ月間の一時帰国>
マレーシアでのボランティア活動が1年過ぎたので,JICA事務所から1ヶ月間の1時帰国がご褒美として与えられます。 これには日本での精密な健康チェックが義務付けられています。 12月29日の飛行機で帰国し,1月28日にマレーシアに戻る計画です。
帰国中には,親戚を訪問,学生時代の友人と一緒に酒を飲む,会社のOBスキー同好会の戸隠スキーに参加する,等の予定があります。
1年間の南国暮らしで,すっかりのんびりしてしまった心身が日本の寒さにきっとびっくりすることと思います。
風など引かないよう十分注意したいと思っています。
記:丸山 磐男(2004-12-27)
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