北米自動車ショー、トヨタ・ホンダが新型車発表【デトロイト=秦野貫】トヨタ自動車は9日、米デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーで、米国で年40万台規模を販売する主力セダン「カムリ」の新型を発表した。米市場はガソリン安を背景に燃費性能が高い乗用車からSUV(多目的スポーツ車)などに需要が移っている。6年ぶりの全面改良により、苦戦するセダンで巻き返しを狙う。 新型カムリは1982年の初代から数えて8代目で、新たな設計・開発手法「TNGA」をエンジンやトランスミッション(変速機)まで広げる初めての車種になる。ケンタッキー州にある工場で生産する。 米市場でセダンはSUVやピックアップトラックに需要を奪われ、カムリも16年の米国販売が15年比1割弱減った。豊田章男社長は「これまでの中で最高の世代になる。ミッドサイズセダンの市場を再度盛り上げるチャンスだ」と強調した。 高級車ブランド「レクサス」の最上級セダン「LS」も11年ぶりに全面改良して披露した。新たなプラットホームやエンジンを採用し、スポーツ車のようなデザインをアピールしている。 米国の新車販売は伸びに陰りがみえるもののSUVなどの人気が高く、16年は約1755万台で過去最高を更新した。トランプ次期米大統領がメキシコでの生産拡大を批判するなどサプライチェーンの維持に不透明感も出ているが、各社は例年通りに新型車のアピールに力を入れている。 ホンダは主力ミニバン「オデッセイ」の新型を公開した。自動ブレーキなど「ホンダセンシング」と呼ぶ安全機能を主要グレードで標準装備とした。ホンダは18年に北米で新たにハイブリッド車(HV)を投入する方針も明らかにした。車種はSUVなどライトトラック分野を想定しており、八郷隆弘社長は「2年後に米国で販売する新車の半分は電動車両になるだろう」と述べた。 日産自動車は17年春に発売するSUV「ローグ・スポーツ」を披露した。既存の「ローグ(日本名エクストレイル)」に比べ、全長が約31センチメートル、全高が約14センチメートルそれぞれ小さい。家族向けには引き続きローグの販売拡大を目指す一方、小型でスポーティーな走りを好む層にローグ・スポーツを売り込む。
《追記》 nikkei.com(2017-01-10) |