第86回都市対抗野球:狭山市6-1名古屋市
 狭山市・ホンダ、長打で圧倒

 ◇第5日(22日・東京ドーム)

 ▽第3試合=1回戦(午後6時開始)

名古屋市(三菱重工名古屋)

  001000000=1

  03002100×=6

狭山市(ホンダ)

 【審判】球審=伊藤昭 ▽塁審=田村、緒方、道島

==============

 狭山市が長打で着々と得点した。二回、山崎の3点二塁打で先制。五、六回は多幡、山崎の適時三塁打などで加点した。先発・石橋は中盤から制球が安定し、8回1失点と好投した。名古屋市は三回、1点を返した後の無死二、三塁の同点機を逃したのが痛かった。

 ◇急成長エース「強気」が吉

 狭山市の先発右腕・石橋がエースの働きをした。「緊張していた」という一回1死二塁のピンチを変化球で切り抜けると、三回がヤマ場だった。連打を浴びた後に、捕手の山崎が相手送りバントを一塁に悪送球し、1点返されなお無死二、三塁の苦しい場面。3番打者を低めの速球で見逃し三振、4番はカットボールで三ゴロ、5番は直球の力勝負で中飛に打ち取った。

 再三、球がワンバウンドし、その度に捕手が体を張って止めたが、それだけ低めを意識していた。配球は同期の捕手・山崎任せだったが、「山崎は二回に打点を挙げてから、直球の要求が多くなった」と笑う。だが、三回の場面を含め、「強気で向かったのが、結果的に良かった」。

 8回を投げ4安打1失点(自責点0)。四回以降は1安打で、二塁も踏ませなかった。

 新人だった昨年は、桜田と福島の左右の柱の陰に隠れていたが、今季は公式戦の登板を重ねるごとに自信を深めた。長谷川監督の信頼を勝ち取り、本番の初戦を任された。次の2回戦は中1日。先発は微妙だが、「任せられたら投げます」と頼もしい。大会前に掲げた「先発3勝以上」に向け、まずは1勝目獲得だ。【黒尾透】

 ◇勝負強さ健在

 ○…狭山市の9番・山崎が「これまで経験がない」という3打席連続長打を放った。二回1死満塁の先制機では、名古屋市先発・水野の初球の真ん中直球を捉え、走者一掃の中越え二塁打。五回に左翼線二塁打、六回には右中間適時三塁打で4打点目を挙げた。関学大から昨春入社。兵庫・関西学院高時代に夏の甲子園で正捕手兼救援投手として活躍して話題を集めたが、大舞台での勝負強さは健在だ。

毎日新聞 大阪朝刊(2015-07-23)