ホンダの岩村副社長「増税の反動は軽微、夏明けに回復」

 ホンダは29日、2015年3月期の連結営業利益の見通しを前期比3%増の7700億円と従来予想から100億円引き上げた。為替の前提を見直した。同時に発表した2014年4~6月期の連結決算(米国会計基準)は営業利益が前年同期比7%増の1980億円だった。新型「フィット」など新車投入の効果で日本やアジアで販売が伸びたほか、生産コストの削減が収益を押し上げた。同日記者会見した岩村哲夫副社長は「増税の反動減は想定通り軽微だった。夏明けには回復するだろう」と述べた。主なやりとりは以下の通り。

 ――5月の前期決算発表時に「消費増税の影響は軽微だろう」と語っていた。4~6月の実績はどうだったか。

 「もちろん影響が全くゼロだったわけではないが、そんなに出なかった。(フィットなど)ニューモデルの投入もあり反動減は軽微で、ほぼ計画通りにきている。3月末の受注残も4~6月の登録車の販売実績につながった。受注を見ると4月は(前年同月比で)80%ちょっと、6月は98%まで戻るなど順調に回復しつつある。夏休み明けには前年並みになるのではないか

――市場が伸びている北米で四輪車の販売が減少した。

 「主な理由は2点ある。1つはメキシコで作り始めたフィットの投入が遅れていることだ。全く新しい工場で、従業員も現地で採用した人ばかりだ。品質最重視の観点から念には念を入れた生産をしており、配車が遅れた。今後、キャッチアップをしていきたい。もう一つの理由はアキュラのセダンモデルの発売の遅れだ。新技術を盛り込んだモデルなので、こちらも念入りな検証を行っている。ただ8月にはようやく発売できる見通しだ」

 ――日産自動車は中国で在庫調整をする予定だと発表した。中国市場の動向をどうみるか。

 「確かに業界全体で在庫がたまっているように思う。我々もさほど多くはないが在庫がたまってきている。適宜減産を行ったり、販売促進策を打ち出したりして適切なレベルにしていきたい」

 ――タカタのエアバッグの大規模リコールは業績にどう影響したか。

 「リコールに伴う引き当てを4~6月期に計上した。その金額については差し控える。一方で(タカタからの)補償の戻りも通期で見込んでいる。タカタのエアバッグを今後も採用し続けるかどうかについては、供給量と品質が大きな判断材料。この2つの観点からいろいろと検討している最中だ」
(大鐘進之祐)

nikkei.com(2014-07-29)