戦没した画学生の想いを今に伝える「無言舘」ここ2〜3年、妻が長野にある「無言舘」を観たいといっていた、先日行ってくる。 絵に対して私にはにがい思い出がある。当時、広島では最難関の高校に入学出来、うきうきしていた。ある日の絵画の授業の時、先生がこんな絵を画いてはダメだと私が画いた絵を例にあげてみんなに示す。今から思うと、”下手は下手なりに魂を込めて画くべき”という反省はある。そんなこともあり、以後絵筆をとる気にならない。 しかし、絵の秀才連中の展示会などを観ることは好きで、いつも憧れの気持で観ている。毎週、川越の丸広百貨店に行くが、必ず5階の展示場に行くことにしている。自分では描けないが、絵に対する鑑賞眼は少しは出来てきたように思う。
せっかくの機会だから私見をひと言。戦場に行き死ぬ覚悟の出来た20歳くらいの若者の心をこれらの絵が表している。私の好きな風景画は全然心に響いてこない、展示の絵は駄作に近いというより”心ここにあらず”ということであろう。心を打ったのは多く描かれている自画像画と裸婦像である。いつ死ぬか分らない立場に追い込まれたとき、まず自分を残したいという心をあらわした自画像。憧れの女性そのものを絵筆で描き尽くした裸婦像。この2点に魂の雄叫びを感じとれた。 無言舘への道順はわかりずらい。わかりやすく言う。JR上田駅付近から南へのびる143号線を1.8km南下。交差する65号線へ左折して6km行く、82号線との交差点を右折。1.4km行った左側に小さな看板がある、左折する。 記:大澤 敏夫(2001-4-13) |