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         北海道ツーリング実績書(行程、宿情報)

 第1日:7月17日
 《途中情報》
 6時少し前に川越の実家を出発、羽生から東北自動車道に入る。安全のため約1時間毎にSAに入り小休止。100〜140km/Hで走る、風圧が強い。日差しはそれほど強くは無く、雨も1時間以上前に上がったところを走るので快適。16:00頃青森のフェリー乗り場に無事到着、ほぼ10時間掛かったことになる。17:00発のフェリーまで乗り場で1時間ほど待つ。バイクは6台。久留米から来た年配者は一般道を3日掛けて走って来たと言う、驚き。船室で横になってテレビを見ながら休む。 フェリーを下船して今夜のホテルまでは10分ほどで到着。
 《宿情報》
 函館上陸が21:15頃になってしまうのでフェリーの乗務員に安いビジネスホテルを紹介してもらう。フェリー乗り場近くのホテルに泊まる、入浴後、隣のコンビニで弁当、ビールを買い部屋で食べた。せっかくの函館なので豪華にやりたかったが残念。帰りのときは豪華にしよう。明晩の宿を予約する。 10時間以上の走行だったが疲れは意外と少なく、明日からの北海道ツーリングに期待が持てそう。 女房に安心コールをかけてから就寝。

 第2日:7月18日
 《途中情報》
 天気は晴れたり曇ったりというところ。大沼公園で40分程度観光。ライダーや観光客は意外と少なく、ひっそりとした感じ。くろまつないの道の駅でのんびりと昼食、東京から来ている若い女性ライダー二人とちょっと話してから出発。ニセコ近辺でちょっと道に迷う。余市で給油&洗車。小樽では運河、煉瓦造りの建物等をバイクで見て回る。さすがに小樽は観光客も多く活気に満ちていた。今夜の宿までは小樽から東へ12kmほど走る。 道路は全体的に立派に作られており、車が少なく大変走りやすい。民家の無いところでは時速80km位でゆったりと走れる。
 《宿情報》
 小樽から12kmほど東の銭函にある小さなたびの博物館というハイカラな名前のとほ宿だ。海水浴場、ゴルフ場が近くにあった。お客は私と関西から来た30代前半のライダーの二人なので一人部屋状態だ。夕食は主人とお手伝いさんと一緒に食べる。2時間近く色々な話が出来たし、アルコールも各種サービスで得した気分だ。とほ宿はなかなか面白い。 明日の稚内までの道路情報や宿情報を入手。紹介されたとほ宿は満室だったので稚内YHを予約した。

 第3日:7月19日
 《途中情報》
  8時ちょっと過ぎに宿を出発。今日は西海岸を稚内まで北上するコースだ。天気は晴れで、道路は空いているので80km/H位の速度で走る。朝のうちは風はわずかに涼しく3シーズン用のジャンパを着る。左に海岸線、右に低い山並みを見、時々トンネルをくぐりながら快調に距離を伸ばす。増毛近くの展望台に上る、ややガスが掛かっているので展望はあまり良くなかった。留萌のコンビニでお茶を買って飲む、アメリカ人のライダがいたのでちょっと話す。バイクで日本一周をしているとこらしい。道の駅おびら鰊番屋でにしんそばを食べる。ひたすら北上する。道の駅富士見で休憩、ソフトクリームを食べながら東京から一人で来ているという中年ライダと話す。バイクでの日本一周を計画中で今回は一週間かけて道北、道東を周りバイクは帯広近辺のバイクショップに預けて、本人は飛行機で東京へ帰り、2ヵ月後にまたツーリングを継続するそうだ。羽幌の原生花園に寄って稚内には4時頃到着。YHにチェックインした後ノシャップ岬まで走る、富士見で休憩したとき会った中年ライダも来ていたのでお互いに写真を取り合った。
 《宿情報》
 稚内YHは市内の丘の上にあり建物は古い。積極的に営業活動はしていないようで、お客は私を含めて10人位。部屋数は10以上あるのにもったいない話だ。夕食は出ないので近くのすし屋に歩いて行った。店では食べられないということで1500円のすしを握ってもらってYHに持ち帰って食べた。ねたは新鮮で大きく美味しかった。明日の網走の宿を予約する。洗濯機と乾燥機が3台あったのでこれまでの汚れ物を洗濯した。朝食は質素だったが果物なども置いてあり、まあまあだった。食後は食器を自分で洗って食器入れに帰すように書いてあったので、洗っていたら職人4人のグループは全く洗わず、トレーごと返していた。後でおばさんに聞いたら食器を洗ってくれる人は珍しいといっていた。 YHの会員になるのを忘れてきてしまったので、1000円余計に払わされた。宿泊者同士が話し合えるような場も無く宿泊していても感動は無かった。もうYHに泊まるのはやめようかな。

 第4日:7月20日
 《途中情報》
 稚内YHを8時10分前に出発、今にも雨が降り出しそうだったのでカッパを着た。市内で給油、21.5km/Lとなかなか燃費も良い。霧、強い横風の中を走る。白鳥が飛来するという大沼に立寄り、写真を数枚撮る。宗谷岬には9時に到着。さすがに観光客は多い。バイクも10台近く来ていた。15分くらい写真を撮ったりしてから出発、すぐに霧と細かい雨が降り出し、海側からの強い風にバイクをふらつかせながらひたすら網走に向けて走る。天気がよければ快適なツーリングになるはずなのに。手袋はびしょぬれ、カッパのズボンの防水が完全でないためパンツが濡れてきた。道の駅さるふつ、道の駅マリーンアイランドと休憩所ごとに小休止して体力、気力を維持する。道の駅オホーツク紋別で昼食、雨はやんできた。1時間くらいゆったりと過ごし、出発。ちょっと道を間違えてサロマ湖の北側を走り、原生花園に行ってしまった。薄く霧が立ち込めていて眺望は良くない。10分ほど休んでから再度、網走に向かって走る。道の駅サロマ湖で小休止し、ノトロ湖を左に見ながら坂道を下って4時頃、網走市内に入った。突然強い雨が降り出し薄暗くなってしまった。ヘルメットのシールドが曇り、地図も見難く、目的の宿がなかなか見つからない。携帯電話で宿に電話して道を聞こうと思ったが、雨が強く、雨宿りできるような場所も無く電話もできない。20分位あちこち走りながら、やっと4:30頃丘の上に立つとほ宿”あら鷲”に到着した。
 《宿情報》
 今日は道の駅オホーツク紋別で昼食をとった時以外は殆ど他人と話もせず、ひたすら霧、雨、風の中を走った。宿はお客は私一人ということで、部屋の床にビニールシートを敷いて、濡れたカッパや、服、下着類を乾かす。主人は大変親切な人で色々と気を使ってくれた。 夕食はなかなか豪華だったが、ビールを飲みながら一人で寂しく食べる。 夕食後、主人と雑談。 32歳まで川崎でサラリーマンをしていて、旅が好きでとほ宿を開設したそうだ。奥さんは網走の人だという。 自然食に関心が深く、野菜や、鶏、卵なども全部自家製だそうだ。 野生の鹿に野菜を食べられてしまったり、野生のミンクに鶏を食べられてしまったりと苦労も多いそうだ。 犬を飼ってから被害は無くなったそうで、娘さんが将来犬の訓練士になるそうである。 主人と奥さんは自然が好きで、辺鄙なところに家を建て、とほ宿をやっていて満足であるが、子供さんたちは色々と不満があるようで、年に3回位は都会へ連れて行って刺激を与えているそうである。 明日の知床岬めぐりの観光船の情報を教えてもらう。 明日の宿をウトロのとほ宿に予約し、広い部屋に一人で寝る。

 第5日:7月21日
 《途中情報》
 9時少し前にとほ宿を出発し網走、斜里町を通ってオシンコシンの滝へ。殆ど快晴で非常に気持ちの良いツーリングを楽しめる。オシンコシンの滝は高さ60mほどの滝で、多くの観光客が来ていた。 今夜泊まるとほ宿により、知床岬の観光船について聞く。宿チャータの観光船は今日は出ないということで12時10分発の大型観光船に乗ることにした。出船までに少し時間があったので知床観光センターまで走り観光情報を入手する。カムイワッカまでのダート道路は7月27日まで開放されているということで、明日トライすることにした。 カニ、ホタテ弁当を買って港で食べる。 観光船は大きなもので、多少の波ではびくともしないようだ。60人くらいの観光客が乗船し、ウトロ港を出発。知床半島沿いに進み、知床岬で折り返す、3時間45分の観光だ。多少雲は出ていたがほぼ晴れている。風は冷たく、ゴアテックスのカッパを着てちょうど良い感じだ。海岸線には小さな入江と、多くの奇岩が林立し、鴎が船を追いかけてきたりして、楽しい観光となった。 シンガポールから来たという5人の女性が私の持っているカメラ付の携帯電話に興味を示してきたので、色々と話し合う。大変愉快な女性たちだった。4時頃帰港したので港の近くのボンズホームというとほ宿にゆく。今日はもう走るのはやめた。
 《宿情報》
 今日の宿は最小限のサービスしかしませんと主人が宣言しているとほ宿だ。お客は九州から来た大学生のカップルと東京から来た新婚旅行中のライダー夫婦、それと私、遅れてきた千葉からのライダーの6人だった。夕食は6人一緒にテーブルについて食べる。新鮮な素材の野菜と、魚、ジャガイモ、等で、特にご飯が美味しかった。 夕食後に近くの温泉に行くことにした。雨が降ってきていたので大学生カップルのレンタカーに乗せてもらって、温泉を楽しんだ。露天風呂からはオホーツク海が一望でき、晴れていればきれいな夕日を見ることが出来たろうに。 お互いに1000円出し合ってビールやおつまみを買い、飲みながら11時頃まで談笑する。談話室の隣にキッチンがあってあとかた付けさえすれば自由に使ってよいと主人が言っていた。千葉から来たライダは今日は小樽からウトロまで走ってきたということで大変なタフガイだ。 初対面の者同士が気軽に自由に話し合える雰囲気は最高だ。これからもとほ宿を大いに利用しよう。

 第6日:7月22日
 《途中情報》
 今日もまあまあの天気だ。8時30分に宿を出発、まず、知床5湖に行く。熊が出没しているということで今年は知床一湖、二湖しか行けなかった。天気がよく暑いくらいだ。湖は裏磐梯の5色沼に比べて少し見劣りするような感じがした。カムイワッカの滝に向かっていよいよダート走行だ。バイクと荷物をあわせた重量は300kgに達するので安全運転第一で走り、30分弱で滝に到着。露天風呂はここから20分くらい滝を上れなければならないので、今回は湯につかるのはパス。同じダートを戻り、知床峠に向かう。天気はよく快適なツーリングだ。それにしてもバイクが少ない。峠の羅臼側はものすごく濃い霧で視界10m位のとこもあった。霧雨が強くなってきたのでカッパを着ようとしたらすぐ近くに道の駅知床・らうすがあったので昼食を食べることにした。今夜の宿は浜中のきりたっぷ里というとほ宿を電話で予約した。 霧雨の中を標津に向かって出発、野付岬に立寄る予定だったが、この霧では何も見えないのでパスし納沙布岬を目指すことにして、ひたすら霧の中を80km/H位で走る。厚床、根室を過ぎたところでちょっと道に迷い、道路標識を見てバイクのところに帰ってきたら後輪のタイヤに白い模様が見えた。アチャー!! なんとタイヤのカーカスが出てしまっているではないか。納沙布岬は諦めてとりあえず根室駅に行き交番で近くのバイクショップを調べてもらった。釧路まで行かないとタイヤ交換は出来ないということで、浜中の今夜の宿まで安全運転で走ることに決めた。 時速60km位、出来るだけ後輪ブレーキは使わないようにして恐る恐る走り約2時間かけて宿に着いたときにはほっとした。 出発前に4000km位はタイヤは大丈夫と過信していた自分を責めた。
 《宿情報》
 宿についてから電話帳を借りて釧路のバイクショップを調べる。吉田商会というバイクショップに電話したら、気持ちよく応対してくれたのでタイヤ交換をお願いする。150-70-17inchのタイヤを探してもらったが生憎無かったので、仕方なく150-60-17inchのタイヤで我慢することにした。新品タイヤを付けても無駄なので中古タイヤを付けてもらうことで合意。明日9時に釧路の手前の別保に行くことにする。 タイヤの件が一応けりがついたので風呂に入ってゆっくりとくつろぐ。今日のお客は東京からキャンピングカーで来ている家族3人、佐久間さんというBMWのKタイプの新車で東京から来たライダ、旧型Civicで来ている稲越さん、もう一人ソロライダ、私の7人だ。 夕食は主人が目の前で握ってくれる寿司を食べる。ねたは新鮮で大きく、イカの卵、牡丹えび、等、普段食べられないようなものが合計16も出て、すっかり満腹になり幸せな気分だ。 食後は主人のサービスで足指マッサージを全員してもらう。私の足は死人の足のように冷たいといわれてしまった。足指の間接部分を指先でぐりぐりを攻められて、もう痛くて痛くて思わず笑ってしまった。 明日はまずタイヤ交換に行く、出来るだけ後輪に負荷をかけたくないのでサイドバッグは宿に預けて行かねばならない。別保からの帰りに別海厚岸線を走り観光地を見てくることにして、明日の晩も今夜の宿に泊まることにした。

 第7日:7月23日
 《途中情報》
 8時30分に霧の中を別保に向かって走る。後輪には細心の注意を払い、いつタイヤがバーストしても対応できるように構えながら1時間で無事別保のバイクショップに到着し、一安心した。タイヤは残りの厚さがおよそ3mm位しかなくバースト寸前だったように思われる。250ccのバイクから外したタイヤで7分位山が残っているものだった。タイヤ外径が15mm近く小さくなるがサイドスタンドも作動に問題ない。ブレーキパッドが磨耗していて殆ど限界に来ていることが判った。 札幌にディーラがあるというのでそこで交換することにした。費用15000円を払って11時頃別保を出発し、厚岸に向かう。厚岸から海岸線を走る道路に進み、アイカップ岬、泪岩、立岩、等を見る。霧で眺望はよくない。泪岩はかなり大きな岩の塊で少女が涙を流しているように見えることから命名されたそうだ。琵琶瀬の展望台でとろろそばを食べる。霧タップ湿原の1部を見た後、MGロードを走り霧タップ湿原センタに行ったが今日は休館日だった。遊歩道を歩いてから霧タップ岬に行く。濃霧で視界は10m以下なので帰りにアゼチ岬に回る。こちらは少しは視界が利いた。 5時15分頃宿に到着。 後輪の外径が15mm弱小さくなっているが操安には全く影響ないようだ、これで明日からのツーリングは安心して走れる。
 《宿情報》
 今夜も昨日と同じとほ宿なのでなんとなくゆったりと落ち着ける。 今夜はお客は10人で佐久間さん、稲越さん、私が連泊だ。昨夜と同じように今夜も夕食は寿司だった。主人の説明を聞きながら食の大切さを改めて認識する。 今夜も足指マッサージで盛り上がった。 神戸から来ている女性のソロライダは結婚していて、夫がバイクに乗らないので一人で北海道にツーリングに来ているという。 明日も天気は悪そうなので、近くの乗馬クラブに電話してみる。 乗り方、歩き方、早足、の基礎コースと波うち際のホースライディングを合わせて4210円と非常に安く乗馬を経験できる。 稲越さん、女性の佐々木さんを誘って明朝乗馬を楽しむことにした。

 第8日:7月24日
 《途中情報》
 霧雨の中を8時半に3人で貰人の乗馬クラブへ向かう、9時半から早速乗馬をすることにした、長靴を履き、軍手をしてから一人づつ乗り方、降り方、歩き方を習う。 以前は大障害飛越などをしていたという馬で非常におとなしく素直な馬だ。一人30分くらい練習してから主人、講師、我々3人の5人で波うち際へ馬を歩かせる。私の馬は練習のときの馬と違って頭を下げる癖があり、上下動も大きくかなり乗りにくい感じだった。終盤には手綱を操って馬を右、左とかなり自由に操れるようになった。 乗馬終了後、家に上げてもらってお茶をいただきながら色々と乗馬の話を聞かせてもらった。今夜の宿として屈斜路湖畔のとほ宿のんき舎を紹介してもらい、早速電話予約した。帰り際に昆布のお土産まで貰ってしまった。 二人ともここで別れ霧雨の中を釧路湿原に向けて走る。細岡展望台に行く予定だったが、入り口を見落としてしまい、通過してしまった。替わりにコッタロ湿原を見に行く、最初はダートで少々暗い気分になってしまった。きれいな湿原を見ることが出来た。391号線に戻り道の駅摩周湖で小休止、あちこちびしょ濡れで気分はグレー。 4時に屈斜路湖から30mくらい入ったところにあるとほ宿”のんき舎”に到着。 今日のツーリングは殆ど霧雨、雨の中だったのでカッパから雨がしみ込みシャッツ、パンツまで濡れてしまった。
 《宿情報》
 今日のとほ宿は温泉を引き込み露天フロまで造ってしまったという有名な宿。全く気取らない若い夫婦で切り盛りしている。 男性ライダばかり12名ほど集まった。東京からSUZUKIのOFF車で来ている男性と相部屋となる。北海道はかなり走っているようで明日の宿として糠平の少し北にある幌加温泉を紹介してもらい、電話で予約した。古い木造の校舎のようなつくりで、非常にひなびた温泉だそうで泊まるのが楽しみになってきた。 夕食は全員ちゃぶ台について一緒に食べる。質&量的にも私くらいの年頃にはぴったりしていて美味しかった。 TVの明日の天気予報で晴れと言っていたので全員歓声を上げて喜んだ。 自家製の果実酒をご馳走してくれて、今夜も盛り上がった。 翌朝6時に同室の人が無料の露天風呂”コタン温泉”に行くというので一緒に行く。屈斜路湖の岸辺に作られていて10人位は入れそうなフルオープンな露天風呂だ。脱衣小屋は男女別々にあるが風呂は一つだ。朝早かったので誰も入っていなかったが、少ししてCB750に乗った中年男性が入ってきた。東京から来ているそうで、温泉めぐりをしているそうだ。 朝食は焼きたてのパン食だった。

 第9日:7月25日
 《途中情報》
 昨夜のTVの天気予報が外れて朝から濃霧だ。9時に宿を出発、美幌峠まで行ってみたが視界10m以下だったのですぐに摩周湖まで行ってみた。こちらも霧で摩周湖は見られなかった。ドライブインで大画面による摩周湖の四季を見てから硫黄山に行く、太陽が出てきて気分も爽快になる。家から持ってきたお菓子類を食べて昼食代わりとする。ハーレーで来ていた熟年夫婦と少し話をする。旦那はバイクで東京から来て奥さんは2日前に飛行機で帯広に着いて、昨日からタンデムで観光地を回っているという。4日間二人で走って、奥さんはまた飛行機で東京に帰るそうだ。こういう楽しみ方もあるのだなと参考になった。 晴天の中を阿寒湖目指して走る。追越禁止区間が多く、前に遅い乗用車がいたり、工事区間があったりしてスピードは控えめに走る。天気もよく、緑のトンネルの中を快適に走り、2時少し前に阿寒湖に到着、小休止、給油後、オンネトーに向かう。バイク、車も殆ど走っていない。コバルトブルーの湖面の奥に雌阿寒岳と阿寒富士が見えて、とてもきれいだったが、あまりゆっくりとは休めなかった。 今日の宿の幌加温泉までは残り120km程あるため出来るだけ急ぐことにする。道の駅足寄でトイレ休憩してちょっと走った所で241号線から細い林道の清水谷足寄線に入る。車やバイクも全く走っていない寂しい道路だ。273号線に合流してすぐ糠平湖の横を走る。あまり眺めは良くない。 5時ジャストに幌加温泉に到着。宿の前の駐車場の路面状態が悪く、バイクを立ちコケさせてしまい右前ウインカを破損させてしまった。
 《宿情報》
 古い木造の2階建て校舎のような外観をした幌加温泉は国道から1kmほど入った谷川沿いにあり、2軒の宿があるが宿泊できるのは1軒だけだ。 今日のお客は私とベンツで来ていた中年夫婦の3人だけだ。建物は古く、トイレなどは壊れかけていたりしてちょっと気分を害するが、風呂は立派なつくりで温泉も2種類出ていて楽しめる。一人で独占して大変満足。 食事は比較的質素であるが、ちょっと痩せたい私には十分だ。 とほ宿で大勢の人と一緒に食事をしたり、雑談したりすることに慣れてしまっていたので、今夜のように一人で食事したり、ほかの人と話が出来なかったりすると少々寂しさを感じる。大きな金タライを借りてたまっていた汚れ物を手洗いした。主人が脱水機にかけてくれて、空いている部屋に針金をわたしてくれたのでそこに干す。 翌朝8時までには殆ど乾いていた。 これでしばらくは洗濯せずに済む。  朝早くおきて温泉に入ってから、昨日壊したウインカをビニールテープで応急修理する。バルブが切れているので、リアウインカから外して取り付けた。

 第10日:7月26日
 《途中情報》
 今日は朝から快晴だ。8時半に宿を出発して三国峠に向かう。深い谷を縫って道路が走り、眺めもよいし、ライディングも快適だ。時々バイクを止めて写真を撮る。 三国峠には9時頃ついた。バイクも8台くらい来ていた。BMWR1100RSで来ていた人とちょっと話し、写真を撮ってから出発。峠を下って層雲峡には10時に到着。さすがに観光客も多く、にぎやかだ。 銀河の滝などを見た後、写真屋に奨められて双瀑台に登る。急な階段が450m近く連続していて頂上に着いたときには汗びっしょりになってしまった。銀河の滝&流星の滝を眺めながら汗がおさまるまで20分位休んでから駐車場まで下った。 今夜の宿として美瑛の東の十勝岳中腹にある吹上温泉の白銀荘を予約した。 層雲峡温泉街に立寄り水分補給する。温泉街はモダンに作られていてショッピングや食事が楽しめるようになっている。観光センターによって案内書を少しもらってから美瑛に向かって出発。 旭川の少し手前で旭川空港に向かう道路に入る。交通量も少なく楽に走れる。日差しが強く相当に暑い。当麻で水分補給のため小休止する。 美瑛の駅近くのガススタンドでウインカの電球を買い交換。隣のラーメン屋で特製ラーメンと餃子を食べる。少々日射病気味で、食欲はあまりなかったが、無理して食べた。 今夜の宿は食事が出ないので夕食&朝食用の食料を買い込んでから吹上温泉に向けて出発。 別荘地のような雰囲気を持った道路や、美瑛の丘陵地の中を走る道をオプタテシケ山、十勝岳を見ながら進む。望岳台によって山をじっくり見てから、吹上温泉の白銀荘に4時に到着した。
 《宿情報》
 今夜の宿、白銀荘は公共施設で立派な露天風呂で有名だ。宿泊は出来るが男女別の2段ベッド部屋と団体用の大部屋があるが、食事は自炊が主体で宿からの食事サービスは無い。立派なキッチン、コンロ、電子レンジ、冷蔵庫、食卓などが揃っていて家族連れには便利な宿だ。 到着後荷物の整理をして早速風呂に入る。露天風呂は男用、女子用と水着を付けて入る共用タイプの3つが揃っていて、5つほどの湯船があり湯温も高目から低目まで揃っておいて順番に楽しめる。十勝岳が手に取るように見ることが出来、こんな開放的な露天風呂は初めてだ。 カナダの大学から横浜のNTTに企業研修に来ているという二人の若い男性が露天風呂に入ってきたので話しかける。今夜の夕食は近くのテントの男性から招待されているといっていた。宿の隣にあるキャンプサイトに行きカナダ人がどんな装備できているか興味があったので彼らのところへ行ってみる。岡山から一人で来ている衣料関係の経営者後藤さんから西瓜割をやろうと誘われカナダ人や近くのテントの人を誘って久しぶりに西瓜割を楽しむ。夜は後藤さんのテントでパーティ。手つくりのコロッケやら、焼きイカやら、アルコールも色々と飲ませてもらってすっかり打ち解けてしまった。ファッション論や健康食について等々、色々な話題について10時頃まで談笑した。 翌朝は後藤さんの車で4人で十勝岳温泉を見てから宮沢りえが北の国からのシーンで入浴して有名になったという吹上露天の湯に入る。小雨の中、簡易テントの下で服を脱いで野趣満点の湯船に入る、上の湯船は猛烈に熱くまともに入れる人は殆どいなく一人入っていたが、体は真っ赤になっていた。水を入れてぬるくすると叱られるということで、殆どの人は下の湯船に入る。 10人くらいの男性の中に水着をつけた中年女性が二人入ってきたがちょっと遠慮気味だった。 白銀荘は今後も利用したい宿の一つだ。

 第11日:7月27日
 《途中情報》
 朝8時から後藤さん、二人のカナダ人と露天風呂に入ったりしていたので宿の出発は10時になってしまった。霧の中を富良野の町に向かって下ってゆく。霧は山の高い部分にだけかかっていたようで、富良野は晴れていた。 丘陵地を少し見て回ろうと思い、千望峠に行き展望台で菓子類を食べてブランチ代わりにした。上富良野に戻り、北海道で一番長い直線道路といわれている道を富良野まで走り、給油してから三笠経由で札幌に向かうことにした。 途中、三段の滝により、三笠、岩見沢を通って札幌に入る。岩見沢から道路も混んできて前後、左右の車に注意して走る。 札幌のBMWディーラでブレーキパッドを買う必要がるので、市内に入ってから携帯で電話する。パッドは8400円と高価だが仕方ない。交換は自分でやることにした。札幌ホンダがBMWのディーラもやっているが、圧倒的にBMWのバイクが多く展示してあったり、お客も多いようで、ホンダもバイクにもっと力を入れないとまずいなと感じた。幸運にも大通り公園に近いとほ宿が予約できたので今夜は札幌泊まりだ。 さすがに大きな町で宿の近くで道に迷い汗をかいてしまったが、4時頃には宿に到着できた。 久しぶりに札幌のような片側3車線の道路を走ると神経が疲れる、特にとほ宿のような小さな目標を探しながら走るのはきつかった。
 《宿情報》
 今夜のとほ宿はNADAという名前で夕食は出ない。二段ベッドの部屋に今夜はライダ4人寝ることになった。1階が車庫になっているので久しぶりにBMWも安心して眠れることだろう。 シャワーを浴びてから一人で大通り公園に行く。キリン、アサヒ、サッポロ、小樽の各ビール会社が大きなビヤーガーデンを出していて大変な盛り上がりをしていた。適当につまみを注文して生ビールを楽しむ。一人でぽつんとして飲んでいるのはちょっと寂しい気もするが、回りの盛り上がりに圧倒される。久しぶりにエネルギを感じた。3店ほどはしごをする。エクアドルの演奏者が街頭でケーナ、ギターを演奏していたのでしばらく聞き入っていた。隣に私のように顎鬚を生やした外国人が来たのでちょっと話しかける。明日から札幌で国際昆虫学会が開催されるのでアメリカから来ているという。 宿に帰ったら談話室で賑やかに話し合いがされていた。主人の友人が北見に引っ越すというのでそのお別れパーティをしているとのこと。色々と市民活動をしているようで、立派な自己出張をする女性が二人、人生に迷っている若い女性が一人、男性ライダが私を含めて3人と主人で議論をした。ドイツ女性が途中から加わった。彼女も国際昆虫学会に参加するため札幌に来たそうで、先程あったアメリカ人の話をしたら、彼女の友人だそうで、世の中狭いなと感じてしまった。 

 第12日:7月28日
 《途中情報》
  7時からリヤブレーキパッドを交換する。比較的簡単に交換できた。旧パッドは殆どパッド部が残っていないほど磨耗していた。今年5月に車検を受けたのにバイク屋は何もいっていなかった。やはり自分できちんと点検してゆかないと駄目だ。朝食後8時45分に宿の前で写真を撮ってから出発。今日も快晴だ。中山峠でトイレ休憩して洞爺湖へ。少し霧のかかった湖の右手山の上に異様な形の建物らしきものが見えてきた。不気味にも思えたその建物は最近できたホテルだった。もう少し自然に調和した建物にすべきではないか。洞爺湖でお菓子昼食をした後、昭和新山に行く。有珠山ケーブルに乗って有珠山展望台に登る。洞爺湖、昭和新山、太平洋が一望できた。写真を撮りながらゆっくりと景色を楽しんだ。 さあこれからは函館に向かってひたすら走るだけだ。速度違反で捕まらないように注意しながら80km/H前後のスピードで走りつづける。2時頃ドライブインに入りカニ飯バイキングを食べる。ご飯、味噌汁のほかに刺身、フライ、フルーツ、等いっぱい食べられ850円にしては得した気分だ。 ここで明日の8時発の函館からのフェリーの予約を電話でしておいた。 4時に函館駅に到着、駅前の旅行案内所で近くのビジネスホテルを紹介してもらう。シャワーを浴びてからサイドバッグを外し、バイクで立待ち岬や有名な建造物を見て回りホテルに帰る。
 《宿情報》
 今夜の宿は食事なしのビジネスホテルなのでバイクで少し観光した後、一人で函館ビールのビヤホールに行ってバイオリンとピアノの生演奏を聴きながらビールと海の幸を1時間半ほどゆっくりと楽しむ。旅先で聴く生演奏は心に染み入るような感じがする。店の女性に60歳になって定年退職して北海道にツーリングに来ていると言ったら、記念にと函館ビールのロゴの入ったワイグラスのようなグラスを2個くれた。駅前の土産物屋で女房に頼まれていたさけとばを買い宿に戻った。北海道の夜も今夜が最後となった。 朝6時に起きて宿を出発、駅前の朝市に寄って土産物を買い、次に5稜角の近くまで走ってみた。近代的なタワーがあったが、他にはお堀がちょっと見えただけで、ジョギングを楽しみ人たちが多数見られた。

 第13日:7月29日
 《途中情報》
  朝7時20分までにフェリー乗り場に行けばよかったのに少し勘違いして大分早くフェリー乗り場についてしまった。食堂が開いていたのでとろろ昆布そばを食べる。バイクは私と三国峠であったBMWに乗った男性と東京から来たという女子学生の3人だけだった。天気も良く、波は殆ど無いので甲板でゆったりと景色を眺める。船の上から鹿角の近くの志張温泉にある今夜のとほ宿”ゆきの小舎”を予約する。 朝函館のコンビニで買ったおにぎりを昼食として食べた。12時に青森でフェリーを下船、日差しが強く走っていてもかなり暑い。とほ宿まで200km近く走らなければならないので気合を入れて走る。八甲田山死の雪中行軍像を見るために往復25km近く寄り道した。奥入瀬渓流を見ながら走り、十和田湖に2時半頃到着。歩いて乙女の像を見に行く、15分位休んでから近くのガススタンドで給油してから出発。鹿角に向けて山を下る。この道は3年位前に女房と4輪で走ったことのある道なので安心して走れた。ひたすら走って5時に今夜の宿に到着。
 《宿情報》
 今夜のとほ宿は志張温泉から東に500m砂利道を走った山間にある宿だ。奥さんの名前をとってゆきの小舎と名付けたようだ。自然食にこだわり、野菜などは畑を耕さず、雑草と一緒に育てている。奥さんは公家のお嬢様のようなおしとやかな女性でとても人当たりが柔らかだ。主人は焼き物、建築、音楽等をたしなむ静かな人で心和む宿である。今夜のお客は東京から来ている中年のご夫婦、埼玉から来ているカップルと私の5人。夕食はお客と宿の主人、奥さんと一緒に歓談しながら食べる。 朝は宿の犬を連れて30分ほど散歩をする。朝食も大変健康的なメニューで飽食に慣れてしまっている我々にとって新鮮に感じる。やはり食は大切にしないと健康な体を保てないような気がしてきた。

 第14日:7月30日
 《途中情報》
  今日も晴れだ。宿のみんなに送られて9時に出発。八幡平に行き、宿の主人に紹介された藤七温泉の露天風呂に入る。実に開放的な風呂で、周囲の山並みが良く眺められる。男性用、混浴の両方の露天風呂に入る、私一人だったのでゆったりとくつろげた。 11時に藤七温泉を出発、山の中の道をひた走り、12時には田沢湖に到着。たつ子姫の像でお菓子昼食をとる。盛岡に向かう途中猛烈な睡魔が襲ってきたので、黒石の道の駅により、そば、アイスクリームを食べて眠気を吹き飛ばす。盛岡IC近くで給油。いよいよ最後の高速道路走行となる。日差しが強くじりじりと暑い。風をよけるため大型トラックの後ろに入ってスリップストリームを使って走る。6時半頃、那須高原SAに入り、カレーそばに多めの唐辛子をかけて食べ眠気に負けないようにする。最後の給油をして高速道に戻る。暗くなってきたのでスピードを押さえ、大型トラックの後ろに入ってひたすら走る。羽生で高速道を下り、一般道を川越まで走り21:30総走行距離4400kmに及ぶツーリングも無事終了した。
 《宿情報》
 2週間ぶりに我が家に帰ってきた。今夜は慣れた布団でぐっすりと寝るぞ!!

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