ホンダ、ロシアで乗用車生産へ 現地で組み立て

 ホンダはロシアで乗用車を現地生産する意向を固め、同国政府に打診した。部品を同国へ輸出し生産する組み立て工場を想定している。ホンダ初のロシア工場になる。ロシアではトヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車が現地生産を始めており、マツダも2012年に生産を始める計画。ホンダの進出が実現すれば、日本の大手が出そろうことになる。

 17日までにロシア経済発展省に進出計画を提出し、協議を始めた。主要部品を日本などから輸出して現地で組み立てるノックダウン方式を採用する。当初の生産規模は年間3万〜5万台とみられる。初期投資額は数十億円となる見通し。建設地は同省と協議して決めるが、極東・沿海州が候補に挙がっている。

 ホンダはロシアに工場を持たず、英国や米国、日本などから完成車を輸出している。ロシアに完成車を輸出する場合、関税などが50%近くかかる。このため、現地生産している他社より割高になり、ホンダの10年の販売台数は約1万8000台にとどまっている。現地生産することで関税免除などの優遇措置を受けたい考えだ。

 ロシア政府は自動車産業をテコ入れするため、外資メーカーに投資を促している。部品調達率や生産台数の大幅引き上げも求めており、今後はノックダウン方式で進出した日本メーカーが追加投資に動く可能性もある。

 ロシアでは金融危機後の09年に自動車販売台数が08年の半分の160万台に落ち込んだが、10年は210万台に回復した。中間所得層の消費拡大を背景に、今後も増加が見込まれている。

nikkei.com(2011-09-18)