ホンダ、ジェット機「世界シェア15%目指す」
米生産拠点を公開

ホンダが公開した「ホンダジェット」の生産拠点(13日、米ノースカロライナ州)

 【グリーンズボロ(米ノースカロライナ州)=小高航】ホンダは13日、ノースカロライナ州に完成した小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の生産拠点を初めて公開した。低燃費なジェット機を年間100機のペースで量産。自動車で培ったブランド力を武器に、10年後に世界のビジネスジェット機市場で15%以上のシェア獲得を狙う。

 航空機事業は全額出資子会社の米ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)が展開する。新拠点では2012年初めに量産を始め、14年に年間100機の生産を目指す。価格は1機450万ドル(約3億6000万円)で、すでに100機以上の受注を得ている。

 定員7人のホンダジェットはエンジンを主翼上部に設置する独特のデザインが特徴で、一般の従来機に比べ機内を約20%広くしたほか、速度を10%、燃費性能を20%改善した。

 HACIの藤野道格社長は「(他社製より)性能は圧倒的に優れており、顧客に新しい価値を提供したい」と述べた。現在は1機種しかない商品数を拡充していく方針を示したほか、17年までに航空機事業の黒字化を目指すとした。

 ホンダ創業者の本田宗一郎氏はかねて「やさしい操縦で値段が安く、だれでも乗れる軽飛行機」の開発を夢見ていたという。同社は1986年に新規プロジェクトの一つに「飛行機」を選定。2006年に航空機の事業化を正式に決め、HACIを通じて量産へ向けた準備を進めていた。

 米業界団体によると、10年の世界のビジネスジェット機の市場規模は763機で、米セスナ社が23%のシェアを握る最大手。ただ、金融危機の影響で市場は08年の約1300機から大幅に縮小している。

《追記》
☆本田技研工業情報 「量産型HondaJet米国での型式認定取得に向け初飛行に成功」ここをクリック

nikkei.com(2011-07-14)