ホンダ、中国に電気自動車 現地生産で12年にも投入

 【上海=杉本貴司】ホンダは2012年にも中国に電気自動車(EV)を投入する。現地2拠点で量産する方針。日本の自動車大手でEVを中国生産するのは初となる見込み。欧米勢も中国でEV投入の意向を示している。19日に開幕する上海国際自動車ショー(上海モーターショー)ではEVを巡り、世界の自動車大手が火花を散らすことになる。

 ホンダEV投入は、中国事業を統括する倉石誠司取締役が明らかにした。同社は12年内に日本と米国でEVを発売する計画だが「中国でも当然、出さないといけない」と述べた。発売時期について明言を避けたが12〜13年とみられる。生産規模は未定。

 日本で先行投入する小型車ベースのEVを中国でも発売する方針。ただコスト削減の一環として「モーターと電池の一部は現地調達していきたい」と話した。生産拠点については武漢市と広州市の既存工場を活用する方針を示した。ハイブリッド車も車種を拡充してエコカーを強化する。

 中国政府は購入補助金を拠出するなどしてEVの普及を促進している。これを受け、日本の自動車大手では日産自動車が武漢市と共同で走行試験を行っているが、発売時期は未定としている。トヨタ自動車も中国で「EVの可能性について前向きに検討している」としているが具体的な投入計画は未定だ。

 ホンダは一方で現地合弁相手の広州汽車と共同で中国専用の新ブランド「理念」も立ち上げた。第1弾として「理念S1」を同日発売したと発表した。既存のホンダ車で最安値の小型車「フィット」と比べ2割強安い。倉石取締役は「今後も継続的に理念ブランド車を出していきたい」と話し、順次車種を追加する考えを示した。

nikkei com.(2011-04-19)