ホンダ社長「2〜3カ月でフル生産」 新車開発も再開

 ホンダの伊東孝紳社長は8日、東日本大震災で被災した本田技術研究所(栃木県芳賀町)で記者会見し、11日から5割の操業度で再開する国内工場を「2〜3カ月後にフル生産に戻したい」と述べた。中断していた新車開発を3月28日に再開したことも明らかにした。日産自動車は4月半ば、トヨタ自動車は18日にいずれも国内全工場を再稼働すると発表。自動車各社の国内生産は少しずつ回復に向かい始めたが、部品調達にはなお課題が残る。

 地震発生後、部品が不足したことから、ホンダは埼玉製作所(埼玉県狭山市)、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)など四輪車工場の操業を休止し、11日に再開すると発表していた。この間、生産できなかったのは5万8000台。今後、部品の確保に全力を挙げ、2〜3カ月後に通常の生産体制に戻した後、操業度をさらに高めて不足分を早期に埋めたい考えだ。

 ただ部品不足の影響は海外工場にも広がっており、3月30日から減産している米国の工場ほか、11日から英国の工場などでも操業度を下げる。海外工場はしばらく生産台数を半減する方針。伊東社長はホンダ全体の生産への影響については現時点では明言を避けた。

 ホンダは震災後、栃木地区に勤務する従業員の1割、約1000人を埼玉製作所などに移動させた。研究所内でも被害の少ないスペースに技術者を移すなどして3月28日に開発業務を再開した。開発の遅れは約2週間、テストの遅れは1カ月未満で「今期に計画している開発項目は遅れないようにしたい」という。

 技術研究所は四輪車開発のほか、近くに部品の調達部門も置く中枢部門。震災で建屋が倒壊するといったことはなかったものの、数百枚とみられる天井パネルが落下、従業員1人が死亡した。8日に報道陣に公開した被災場所はむき出しの天井から無数の配線コードが垂れ下がり、被害の大きさをうかがわせた。

 日産は8日、4月半ばに国内の全工場を再稼働することを決めた。まず11日に小型車を造る追浜工場(神奈川県横須賀市)と、子会社でミニバンなどを生産する日産車体(同平塚市)の操業を再開する。

 他の工場でも順次生産を再開し、18日には震源に近く被害の大きかったいわき工場(福島県いわき市)の操業を再開する。同工場からエンジン供給を受ける栃木工場(栃木県上三川町)でも操業を始める。

 もっとも依然として一部部品の調達が滞っており、当面は当初計画と比べ5割の稼働にとどまる。日産は被害の大きい取引先部品メーカーに対し、復旧作業などの支援をしている。震災発生後1カ月近くで供給再開のメドが立たない取引先部品メーカーは40社から20社に半減。日産は「今後も要請があれば可能な限り支援する」としている。

《追記》
  ☆本田技研工業情報「4月8日現在の被災施設復旧状況について」ここをクリック

nikkei com.(2011-04-08)