米新車販売11%増、1158万台 日系3社シェア縮小


 【ラスベガス=山川一基】米調査会社オートデータが4日発表した2010年の米国の新車販売台数は前年比11%増の約1158万9千台で、5年ぶりに増加した。経営再建が進む米大手が市場を引っ張った。一方、日系大手3社の合計シェアは11年ぶりに前年割れ。大規模リコール(回収・無償修理)問題の影響が出たトヨタ自動車は大手6社中唯一マイナスだった。

 中国自動車工業協会によると、中国の10年1〜11月の新車販売台数はすでに1639万5千台に達し、中国が2年連続で世界一の自動車市場になることが確定した。

 米新車販売はリーマン・ショックと原油価格の高騰があった08年から急減し、09年は27年ぶりの低水準に落ち込んだ。10年は米経済が緩やかに回復するとともにガソリン価格も安定。不況で買い控えていた米消費者が、比較的大きなピックアップトラックやスポーツ用多目的車などの小型トラックを中心に新車を求めた。新車販売に占める小型トラックの割合は50.2%と、乗用車を上回った。

 さらに、09年に経営破綻(はたん)した米大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが、巨額の政府支援を受けて事業を再編。不採算ブランドの撤退や販売店・工場の閉鎖、人員削減を進めて収益性を上げ、価格競争力をつけて消費者をひきつけた。フォード・モーターを含む米「ビッグスリー」の年間のシェアは45.1%となり、44.2%だった前年を上回った。

 リコール問題が尾を引いたトヨタは3年連続の前年割れ。シェアは前年の17.0%から15.2%に減少し、2位から3位に後退した。トヨタは燃費のよい小型車を中心にシェアを伸ばしてきたが、小型トラックの再流行が逆風だったことに加え、主力車種のモデルが端境期にあったことも響いた。ホンダも台数は増えたがシェアを落とし、日系大手3社の合計シェアは前年の35.4%から33.6%に減少した。

asahi.com(2011-01-05)