ホンダ、二輪の世界戦略車をインドで生産


 ホンダはインドで二輪車の世界戦略車を生産する。新興国で開発・生産して複数国で販売するモデルで、第1弾として来年3月から生産を始め、現地で販売するほか、南米に輸出する。ホンダはインドで合弁事業を解消し、単独事業に経営資源を集中する方針。世界戦略車の投入でインドを新興国向け輸出拠点としても育てる。

 全額出資の二輪子会社「HMSI」がデリー郊外で新型車「CBR250R」(排気量250cc)を生産する。同モデルの生産はタイに続き2カ国目。部品の95%をアジア地域で調達して価格を抑えた戦略車で、タイから日米欧やアジア、インドから南米などに輸出する。

 HMSIはこれまでスクーター中心に生産販売し、インド市場の量販車である排気量100〜250ccの二輪車は主に現地合弁会社「ヒーローホンダ」が手掛けてきた。ホンダはヒーローホンダの合弁解消を機に、HMSIの生産車種を売れ筋車種に広げる。

 将来は部品や人件費の安いインドの生産拠点を、ホンダが今後の重点市場と位置付ける南米やアフリカ向け輸出拠点に育てる考え。南米やアフリカでは中国やインドの新興国メーカーが台頭してきているが、ホンダはインド拠点を活用することで価格競争力を高めて対抗する。

nikkei.com(2010-12-05)