ホンダ、国内の二輪車テコ入れ 低コストの車種拡充


 ホンダは赤字が続く国内の二輪車事業をテコ入れする。開発・製造費がかさむ国内向け専用車の開発を絞り、コストが割安で済む「世界戦略車」の販売を強化する。2013年までに10車種以上を国内に投入し販売全体に占める世界戦略車の割合を5割以上に高める。新規出店も近く5年ぶりに再開し、店舗数を13年までに約4割増やす。

 世界戦略車は世界各国での販売を前提に開発・製造する二輪車。世界各地の意見を取り込むのでデザインは無難になりがちだが、地域ごとに専用車を開発するより車種が少なくて済み、全体の開発費を抑えられる。新興国を中心にした集中生産で製造費も削減できる。このため採算を確保しながら、同等の排気量の専用車に比べ販売価格を1〜3割安く設定できるもようだ。

 現在市販している世界戦略車は排気量125ccのスクーター「PCX」1車種のみ。同車を集中生産しているタイから輸入し、国内でも今年3月に発売した。

 ホンダは今後、世界戦略車の品ぞろえを拡充する計画で、国内にもまず年内をメドに新型のスポーツタイプ車を投入。250cc、400ccの中型車のほか、800ccクラスの大型車も順次投入する。国内二輪車販売全体に占める世界戦略車の割合を、現在の1割から13年までに5割以上に高める方針だ。

 一方、販売体制も見直す。13年までに店舗数を現在より4割多い150店に増やす。販売網が手薄だった東京、大阪などの都市部を中心に若年層を取り込む狙いだ。ディーラーの出店コストを抑えるため、従来の約3分の1の広さの店舗でも出店できるよう出店条件を緩和し、新規出店の募集を始めた。

 ホンダは二輪車の世界最大手で、インドなどアジア地域を中心に1500万台以上を販売している。しかし09年の国内出荷台数は約18万2000台と前年比26%減少、ピークだった1982年に比べると約9割も減った。国内工場の稼働率も4割程度に低迷し、赤字が続いている。

 ホンダの10年4〜6月期の連結決算は新興国での四輪車販売が伸び、純利益が2724億円と四半期ベースで過去最高になった。全社ベースの好調な決算の陰に隠れた格好になったが、国内の二輪車事業は軽自動車事業と並ぶ同社の弱点になっている。

nikkei.com(2010-09-16)