ホンダの中国完成車工場でスト 賃上げで合意、稼働再開

 【北京=多部田俊輔】ホンダの中国の完成車組み立て工場で7〜8日に従業員のストライキが発生し稼働が一時的に停止していたことが9日、明らかになった。ホンダ広報によると、8日夕方までにストは終息し、稼働を再開したという。5月からホンダやトヨタ自動車などの部品工場でストが相次いだが、完成車工場でのスト発生は初めて。日系企業の中国での労働対策が改めて問われそうだ。

 ストが発生したのは、ホンダの輸出専用の完成車組み立て子会社「本田汽車中国」(広州市)。賃上げや待遇改善などを求める一部従業員が7日午後にストに踏み切り、工場全体の稼働が止まった。8日も午前から午後にかけてストが続き稼働を停止した。

 ホンダの中国法人によると、「8日夕方までに会社側が賃上げなどの要求に応じることで従業員側と合意し、操業を再開した」(広報担当者)という。賃上げ幅などは公表していない。

 輸出専用工場の従業員は約1000人で、年産能力は5万台。小型車「ジャズ」(日本名フィット)などをドイツなどに輸出している。出資比率はホンダグループが65%で、広州汽車集団25%、東風汽車集団(湖北省)10%。

 ホンダでは5月中旬から系列部品メーカーなどでストが相次いで発生し、中国の完成車4工場の稼働が一時的に停止した。トヨタも系列部品メーカーのストで天津市の完成車工場の操業が止まった。

nikkei.com(2010-07-09)