高速料上限案、普通車2千円・軽1千円 休日1千円廃止

 国土交通省は、6月に導入する高速道路の新料金体系を固め、各高速道路会社などと最終調整に入った。軽自動車1千円、普通車2千円、大型車5千円など車種別に上限料金を定める。平日、休日関係なく、一定の距離を超えれば料金が上がらないようにする。「休日上限1千円」や夜間割引など従来の割引はすべて廃止し、近距離を走るドライバーには実質値上げとなる。

 6月に高速道路の一部区間を無料化するのに合わせ、新料金体系に移行する。割引はETC搭載車に限定せず、料金体系は首都高速、阪神高速を除いて原則全国一律とする。

 軽、普通、大型のほか、大型バスなどの特大車を加えた4車種に区分し、それぞれ上限料金を設定する。特大の上限は1万円程度とする方向。ハイブリッド車などのエコカーは軽と同じ料金とする方針だが、エコカーの認定作業などに手間取るため、6月実施は困難とみられる。

 首都高速と阪神高速は、現在の定額制から、上限付きの距離別料金に移行する。ただ、料金変更には出資者である自治体の同意が必要で、7月以降の実施となりそうだ。

 高速道路の料金(普通車、定価)は現在、初乗り運賃(150円)に距離に応じた料金(1キロ当たり24.6円)を加算して算出。東京―名古屋間を東名高速で走る普通車だと、割引なしの料金は7100円。新料金では2千円で、平日の遠距離利用者にとっては大幅な割引になる。

 ただ、「休日上限1千円」や「夜間最大50%割引」など、国や高速道路会社の負担で実施している割引制度は同時になくなる。

 高速会社によると、現在は全体で定価から4割程度値下げしており、大半の利用者に何らかの割引が適用されているという。東日本高速道路会社によると、軽・普通車の平日の1回あたりの平均走行距離は約40キロ、休日は約60キロ(ともに昨年6月時点)と現在、普通車は2千円に満たない区間での利用が主流。このため、現行割引の廃止で多くの利用者にとって実質値上げとなる可能性がある。

 昨年末、民主党が鳩山政権に対して「全国一律の料金体系」の導入を要望したのを受け、国交省が新料金を検討してきた。また、「休日1千円」などに使われていた割引財源の一部は高速道建設に回す方針だ。

 実質値上げへの反発も予想されることについて、前原誠司国交相は「社会実験として検証することになる」として、影響次第では料金体系を再度見直す可能性を示唆してきた。(津阪直樹)

asahi.com(2010-03-31)