甲子園内野席屋根にホンダ子会社の薄膜太陽電池

 本田技研工業の子会社で太陽電池製造・販売のホンダソルテック製の薄膜太陽電池が、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で使用されることになった。同球場のリニューアルに伴って「銀傘」と呼ばれる内野席屋根に設置。推定発電量は年間約19万3000kWh、年間で133tのCO2排出量を削減する。

 稼働した薄膜太陽電池は、銅・インジウム・ガリウム・セレンの化合物を素材にした薄膜を発電層に使った次世代型太陽電池。発電層を薄い膜状にすることで製造時の消費エネルギーやCO2排出を減らし、製造時から環境に配慮しているという。一般住宅用を2007年に発売し、2008年からは同球場に設置したような公共・産業用商品も販売している。

 年間推定発電量の19万3000kWhは、同球場を本拠地にするプロ野球球団、阪神タイガースが1年間に同球場のナイトゲームで使う照明の電力量に相当。同球場全体の年間消費電力量の約5.3%を賄う。133tのCO2は、同球場11個分約40万m2の森林が吸収するCO2と同程度で、57kLのガソリンを燃焼した際のCO2量に当たる。

 本田技研は、2輪車や4輪車などのCO2低減に加え、エネルギーを生み出す商品として薄膜太陽電池の展開にも注力。同球場での稼働を機に同社の太陽電池をアピールしていく。(日経BP環境経営フォーラム)

《追記》
  ☆本田技研工業情報「阪神甲子園球場に設置したホンダソルテックの薄膜太陽電池が稼働を開始」ここをクリック

nikkeibp.co.jp(2010-03-02)