ホンダ、増益支える新興国
 今期、1ドル=85円でも利益

 自動車大手で2010年3月期に唯一増益を確保するホンダ。今期下期の米ドル想定を1ドル=85円に見直したにもかかわらず、黒字を確保できる体質を構築した。これを支えているのが新興国と効率経営という2つの強みだ。

 今期の世界販売台数は計画より10万台強上向くが、このうちアジアが7万台と過半を占める。なかでも中国やインド、タイが好調で、今期の新興国向け販売比率は34%と、トヨタ自動車(8月時点の予想で27%)を上回る勢いだ。

 新興国で強い背景には二輪車で築いたブランド力がある。初めから四輪車を投入する他社に比べ顧客の支持が得やすく、広告宣伝費などの費用も安く済み、売り上げ増による利幅が大きい。加えて、新興国の比重が増したことで「新興国通貨高がドル安・円高を補っている」(近藤広一副社長)効果も出ており、下期を1ドル=85円前提に変更したにもかかわらず為替による減益要因は生じない。

nikkei.co.jp(2009-10-27)