都市対抗野球:Hondaが東芝に快勝し4強

 第80回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)は第10日の30日、東京ドームで準々決勝4試合を行った。第4試合は、本塁打攻勢のHonda(ホンダ、狭山市)が4−2で東芝(川崎市)を破り、4強入り。ホンダは昨年に続きベスト4。準決勝の組み合わせは、トヨタ自動車(豊田市)対日産自動車(横須賀市)、ホンダ対NTT東日本(東京都)となった。

 ○ホンダ(狭山市)4−2東芝(川崎市)●

 ホンダが一発攻勢で競り勝った。一回、多幡の適時打で先制し、二回は岡野の中越えソロで加点。六回には長野、田浦がソロ本塁打を放った。先発の諏訪部は制球がよく、7回1失点と好投。東芝は大河原の2打席連続本塁打で追い上げたが、及ばなかった。

 ▽ホンダ・安藤強監督 (先発の)諏訪部は初めての東京ドームで本当によく投げた。初回を抑えて乗っていけたね。

 ▽東芝・印出順彦監督 一発には気をつけたのだが……。前半のチャンスに得点していれば付け入るスキもあった。悔しい敗戦です。

 ◇ユニホーム紛失「反省」

 六回、狭山市の先頭打者の背番号はメンバー表にはない「31」だった。だが、その打者が初球を迷わず振りぬくと、打球は左翼席中段へ突き刺さった。五回に1点差に迫られていただけに効果的な一発。その鋭いスイング、弾丸ライナーは、間違いなく狭山市の3番・長野のものだった。

 試合直前にユニホームを紛失。後輩・森のものを借りて出場した。長野は「僕の不注意。コーチに怒られた」と反省しきり。だが、プレーは別だ。「自分のスイング。手応え十分だった」。意外にも、これが都市対抗3度目の出場で初本塁打・初打点。「ほっとした」と表情を崩した。

 前夜の3回戦では、今季から加入した4番・西郷が2ランを含む3安打3打点を挙げたが、長野もここまでの3試合で計12打数7安打と絶好調だ。「今年は西郷さんのおかげで楽に打たせてもらっている」と長野。社会人球界を代表する強打者の存在が、狭山市の若き主砲を重圧から解き放ったようだ。【平本泰章】

 ○…東芝の1番・大河原が2本塁打と孤軍奮闘。どちらも甘いコースの直球を逃さなかった。1試合2発は、学生時代も含めて公式戦初めてという。これまでの2試合は計9打数1安打に終わっていただけに、「3試合目も1番で使ってくれた監督の期待に応えたかった」と言う。悔やんだのは三回1死三塁での空振り三振。「相手のミスで得た好機。何とかしたかった」。さらに「3試合通じて四球を選べなかった」「つなぐ野球ができなかった」など、出てくるのは反省ばかりだった。

mainichi.jp(2009-08-31)