都市対抗野球:Honda熊本、東海理化に逆転勝ち

 第80回都市対抗野球大会(毎日新聞社・日本野球連盟主催、東京ドーム)第6日の26日は2回戦3試合。第2試合はHonda熊本(ホンダ熊本、大津町)が東海理化(豊川市)を5−1で降し、3回戦に進出した。

 ○Honda熊本(ホンダ熊本、大津町)5−1東海理化(豊川市)●

 Honda熊本は六回1死一、三塁から山内の適時打で同点。2死後、工藤が右中間へ2点三塁打を放ち、計3点を挙げ逆転した。九回は連続本塁打で加点。五回途中から救援した山中の好投が光った。東海理化は先制後、追加点を奪えず、先発・川脇を援護できなかった。   ▽ホンダ熊本・渡辺正健監督 山中の好投でリズムを作れた。(六回の勝ち越しは)つなぎの野球で戦えた結果。山内、工藤がよく打った。 

 ▽東海理化・平塚剛広監督 川脇は中盤まで放ってくれたので十分。一回のような攻撃を2、3回できれば、初勝利が見えてくる。 

 ◇工藤隼人捕手=ホンダ熊本(大津町)

 ◆「配球読めた」…勝ち越し2点適時三塁打放ち

 「やっと甘い球が来た」。同点とした直後の六回2死一、二塁。カウント2−2から3球ファウルで粘り、ボールでフルカウントとなった9球目。内角から真ん中への変化球。それまで好投していた東海理化・川脇の失投を見逃さなかった。

 フルスイングした打球は右中間のフェンスを直撃。2点を勝ち越す適時三塁打になった。川脇と同じく技巧派の山中の球を受けており、「配球が読めた」と振り返った。

 九州地区予選直前に左太ももの肉離れを発症し、満足に走れなかった。それでも渡辺監督は重要な場面で起用してくれた。「監督の思いに応えたい」。予選中も、素振りを欠かさなかった。だが、九州予選では通算3打数無安打。本大会で雪辱を期した。初戦のにかほ市戦では八回に二塁打を放ち、決勝のホームを踏んだ。思いは果たせている。

 入社9年目の31歳、チームで2番目の年長選手となった。02年の準優勝を知るが、「まずは次の試合」。一戦必勝の構えだ。【黒尾透】

 ○…ホンダ熊本の先発高峰は五回途中、失点1で降板。六回に味方が逆転し、勝ち投手にはならなかったが「うちの継投パターンですから」と、まったく気にしていなかった。競った展開で盤石の抑え・山中につなげば「打線も好調で(勝ちは)堅い」と高峰。開幕試合の1回戦も、先発の江波戸から高峰、山中とつないで終盤に勝ち越して逃げ切りと、2試合連続で「勝利の方程式」を実践してみせた。今年のホンダ熊本自慢の「右腕3人組」に、すきは見えない。

 ○…昨年の初戦は一回に2本塁打を浴びるなど二回もたずに降板した東海理化先発の川脇だが、この日は「自分のピッチングをするだけ」と胸に刻み、3者連続三振でスタート。二回以降は、毎回得点圏に走者を背負いながらも、「切れていた」というストレートを武器にしのいだが、六回、同点にされた後の2死一、二塁で2点三塁打を許し、「スライダーが甘く入った。あれが余計だった」と悔しがった。成長の跡は確実に示したが、25歳の左腕は「負けたら意味はない」と、エースのプライドをのぞかせた。

mainichi.jp(2009-08-27)