都市対抗野球:ホンダ熊本、6年ぶり本大会出場 九州

 第80回都市対抗野球大会の2次予選は27日、九州はホンダ熊本(大津町)が三菱重工長崎(長崎市)を破り、6年ぶり5回目の本大会出場を決めた。

◇前日(第1代表決定戦、対:沖縄電力))と一転、積極策…ホンダ熊本

 ホンダ熊本の主将、深沢は「うちの監督、思い切ったことやるなあ」と感心したという。昨年7月の就任以来、バントを徹底してきた渡辺監督が二回、先頭の佐々木が四球で出塁した場面で、次打者の初球に盗塁のサインを送ったからだ。

 佐々木の盗塁は捕手の悪送球を誘い、三塁まで進塁。間一髪のタイミングだったが「(カバーに入った)センターの送球がいま一つなのは知っていた」と佐々木。1死後、西川が難なくスクイズを決め、先制点を奪った。

 相手の心理を読み、相手のスキを逃さない−−。02年に都市対抗で準優勝、03年に4強入りした黄金期のホンダ熊本の姿だ。当時ヘッドコーチを務めていたのが渡辺監督。前日の第1代表決定戦で見せた慎重な戦いぶりとは一転、積極的に仕掛けた。序盤の仕掛けが奏功し、計七つもの犠打を決め、全4得点に犠打が絡んだ。

 一方で、7年前の準優勝時に比べて「今年の方がかなり上」と渡辺監督が語るのが投手力だ。その切り札が山中。下手投げからの直球を武器に、九州地区予選では完ぺきな火消し役を演じた。全4試合に登板し、12回三分の一を自責点ゼロ。この日も一打逆転の場面をしのいだ。東京ドームの切符をつかむのは、いわば必然だった。【田原和宏】

mainichi.jp(2009-06-28)