撤退のホンダF1、チーム売却額わずか1ポンド=147円

 自動車のF1世界選手権から撤退したホンダが、チームを売却した価格が1ポンド(約147円)だったことが9日、関係者の話で分かった。

 購入者はホンダチームの代表だったロス・ブラウン氏で、3月6日に売買契約が成立、チーム名をブラウンGPとし、エンジンをホンダからメルセデス(独ダイムラー)に変更。シーズン前の準備がほとんど行えなかったが、同月29日の開幕戦、第2戦(4月5日)とエースのジェンソン・バトン(英)が連勝するスタートを切っている。

 ホンダ関係者は事実上無償での売却を認めた上で、「(昨年12月の)撤退決定以来、F1活動を続行する条件で売却するのが、最大の優先事項だった。価格は問題でなかった」と説明。ホンダは数百億円を投資した英ブラックリーのチーム、工場、実験用風洞設備のほか、マシン、マシンに関する知的財産権を売却した。撤退に伴い、「100億円に達しない額」の保証金も新経営陣に支払っている。

 ホンダ側は「チームを解散させて資産を切り売りする相手には売れなかった。数百人の雇用を守る必要もあり、いい結論だったと思う」と話している。

読売新聞(2009-04-10)