「都市一つ壊滅したかも」小惑星あわや激突…豪学者が観測

 【ブリスベーン=岡崎哲】3日未明、直径30〜50メートルの小惑星が地球の近くをかすめていたことが、オーストラリア国立大学の天文学者、ロバート・マクノート博士の観測で分かった。

 最接近時には地球からわずか約6万キロの距離で、博士は「衝突していれば1都市が壊滅するところだった」としている。

 地元メディアによると、同博士は2月27日、200万キロ以上離れた宇宙空間に時速3万1000キロもの速度で地球に向かって来る未知の天体を発見し、軌道を計算したところ、太陽の周りを1年半かけて公転する小惑星だった。この小惑星は3日午前0時40分(日本時間2日午後10時40分)に地球に最も近づき、その距離は、月との距離(約38万キロ)の6分の1弱に当たる約6万キロだった。

 この小惑星の大きさは、1908年にロシア・シベリアに落ち、2000平方キロの森を焼き尽くしたものに匹敵したという。

 地球への再接近は100年以上先になる見込み。

 国立天文台の入江誠・広報普及員の話 「小惑星と地球との距離が6万キロ・メートルというのは、宇宙の距離としてはものすごく近い。小惑星がここまで地球に接近するのは珍しいことだ。地球に衝突せずに通過してよかった」

読売新聞(2009-03-06)