産業景気、底見えず 自動車不振が機械・鉄に連鎖

 産業景気が急速に冷え込んでいる。自動車の国内販売が歴史的な落ち込みを見せ、その影響が工作機械や鋼材に波及。好調を維持してきた薄型テレビなどデジタル製品の販売にもブレーキがかかった。金融危機に端を発した世界経済後退で需要が縮小。産業景気の底は見えにくくなっており、企業による投資・雇用の絞り込みが加速する恐れが強い。

 需要の落ち込みが際立つのが自動車。米国市場の不振が目立っていたが、9月の米証券大手リーマン・ブラザーズ破綻後に日本でも販売が急落。新車販売台数(軽自動車を除く)は9月が前年同月比5%減、10月13%減、11月27%減と月を追うごとに悪化、12月も苦戦が続く。「想像をはるかに超え、先が見えない状況」(福井威夫ホンダ社長)だ。

nikkei.co.jp(2008-12-14)