ホンダ、円高続けば正社員削減も…
福井社長が言及

 ホンダの福井威夫社長は19日、読売新聞などのインタビューに応じ、1ドル=90円前後の円高が2009年度以降も続いた場合、正社員の削減に踏み切る可能性があることを明らかにした。

 10年3月期連結決算について「(営業黒字の確保は)厳しい」と述べ、比較可能な1988年以降で初めて営業赤字に転落する可能性を示唆した。

 今夏以降の景気悪化局面で、自動車大手トップが正社員削減に言及するのは初めてだ。新車の販売不振などで経営環境が急速に悪化している実態を裏付けた。

 福井社長は「1ドル=90円、85円では、とても持ちこたえられない。国内生産はもっと減る」と追加減産の見通しを示した。具体的には、埼玉製作所(埼玉県狭山市)の閉鎖などが検討対象になる考えを示した。人員削減では「非正規社員がゼロになり、その先には正社員もあり得る」と述べた。10年春の新卒採用数は09年より1〜2割減らす考えも明らかにした。

 撤退を表明した自動車レース「F1」以外のモータースポーツについても撤退を含めて見直す方針を強調した。

読売新聞(2008-12-20)