ホンダF1撤退へ

 ホンダが自動車のF1(フォーミュラ・ワン)世界選手権から撤退する方針を固めたことが5日、明らかになった。世界的な景気後退による新車販売の不振で、年間500億〜600億円といわれる巨額のF1関連の費用を削減するためと見られる。同日午後に記者会見を開き、正式に発表する。

 ホンダはエンジンから車体まですべてそろえた「ホンダ・レーシング・F1・チーム」として参戦していたが、来季参戦は見送り、チーム売却を検討している模様だ。

 ホンダは、F1チームの運営費や関連技術開発費などで年間500億円超の資金と、技術者ら1000人以上の人員を投入しているといわれる。経営上の大きな負担となっていた。これまではホンダの知名度アップや技術開発への効果が期待できるとしていた。

 しかし、世界的な景気減速の影響で、欧米や国内市場での新車販売が落ち込み、2009年3月期の営業利益は前年同期比42・3%減の5500億円まで減少する見通しだ。すでに国内外の工場で減産や派遣社員などの人員削減に踏み切っており、F1関連事業についても見直すことにした。

 ホンダは過去に1964〜68年と、83〜92年までF1に参戦。今回は、2000年からエンジンの供給を始め、06年からチームとして本格参戦していた。

 ホンダの撤退で、F1に参戦している日本メーカーはトヨタだけになる。今年欧州でトヨタが撤退するというニュースが流れたが、同社は強く否定、「最低でも2012年までは参戦を続ける」と声明を流した。

《追記》
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読売新聞(2008-12-05)