GMの命運、「政治」が左右
 クライスラーと合併協議中断

 【ニューヨーク=武類雅典】米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの合併協議中断が決まった。資金繰り確保を最優先したGMは7日、政府の支援などがなければ「延命できない」と表明。クライスラーは筆頭株主の投資ファンドが他社との提携を急ぐ方針を示した。フォード・モーターを含め、金融危機の余波で体力が急速に衰えるビッグスリー(米自動車大手3社)。「デトロイトの外」にいる政治やファンドの力学が各社の命運を握る。

 「できることはどんなことでもやる」。7日昼の決算会見中、リチャード・ワゴナーGM会長の言葉の端々には「緊急事態モード」がにじんだ。販売不振の広がりで、追加リストラ策を実行しても、年内には運転資金がギリギリの水準に減る恐れが出てきたからだ。

nikkei.co.jp(2008-11-09)