後部座席ベルト、もみじマーク…6月1日から義務化


 改正道路交通法が来月1日から施行され、75歳以上のドライバーの「もみじマーク」表示や後部座席のシートベルトの装着が義務化される。

 このうち、もみじマークを巡っては、75歳以上が対象となる後期高齢者医療制度と同様、「高齢者いじめだ」と批判が噴出し、警察庁は来年6月まで摘発しないとの方針を発表した。デザインにも「枯れ葉を連想させる」と不満が出ており、法改正通りに普及が進むかどうかは不透明だ。

 現行の道交法では、もみじマークの表示は70歳以上のドライバーの努力義務で、マークなしで運転しても摘発されなかった。改正道交法では75歳以上が表示を怠った場合、違反点数1点と反則金4000円。一般車には、もみじマークを表示した車への保護義務が課せられ、幅寄せなどをした時は違反点数1点と6000円の反則金が科される。

 昨年6月に改正道交法が成立した際には、国会議員から反対意見は出なかったが、施行まで1か月弱に迫った5月8日の衆議院内閣委員会で、泉健太議員(民主)が「いきなり反則金を取るのは乱暴」と指摘。同20日の自民党総務会でもやり玉に上がった。

 結局、警察庁は1年間は違反を見つけても摘発せず、指導にとどめるよう全国の警察に通達した。

 同庁は「1年後に改めて運用の仕方を検討する」と説明しているが、来年6月までに認知症対策として、75歳以上の免許更新時に「認知機能検査」も導入される予定で、再び論議を呼ぶことも予想される。

 一方、後部座席のシートベルト着用は高速道では違反点数1点となるが、一般道の場合は違反しても指導・警告にとどまる。タクシーや高速バスの乗客にも適用される。

 同庁は当面、広報活動に力を入れ、秋の全国交通安全運動が終わる9月末以降に、本格的な取り締まりをスタートさせたいとしている。      

読売新聞(2008-05-31)