ホンダ社長「小型車『フィット』など
ハイブリッド4車種投入」

 ホンダの福井威夫社長は21日に記者会見を開き、今年4月からの3カ年計画を発表した。「2009年初めに出す新型ハイブリッド専用車や小型車『フィット』など4車種でハイブリッドモデルを投入し、2010年代に年間50万台のハイブリッド車を販売する」ことを明らかにした。主な一問一答は以下の通り。

――ホンダの今後の環境戦略は

 「CO2低減の方法は数多くあるが、現在のところハイブリッド技術が最も現実的で効果が大きいと考えている。来年初めに日本、北米、欧州で発売する新型ハイブリッド専用車は5ドア5人乗りの取り回しの良いコンパクトサイズとし、エクステリアデザインは燃料電池車『FCXクラリティ』のコンセプトを採用した。年間20万台の販売を見込んでいる」

 「さらにコンセプト車『CR−Z』をベースとしたスポーツ車、『シビック』『フィット』にもハイブリッドモデルを追加し、4車種で2010年代に年間50万台の販売を目指す」

――ホンダは燃料電池車も開発しているが

 「ホンダがゼロから専用設計した燃料電池車『FCXクラリティ』を今年7月に米国で、今秋に日本でリース販売を始める。日米を合わせた販売台数は3年間で200台程度になるものと考えている。今年7月に開かれる洞爺湖サミットでも提供する予定」

 「燃料電池車の普及には燃料を供給する水素ステーションなど、インフラ面での課題が大きい。現在、ホンダでは家庭で水素を製造し、蓄圧するシステムを開発中だ」

――途上国向けに超低価格車の開発の動きがある。ホンダの対応は

 「現在、日本では小型セダン『フィットアリア』、アジアで『シティ』として販売しているモデルがホンダ車としてもっとも安い。この下のカテゴリーの車を投入することを検討している。ただ国ごとにニーズが違うこともあり、価格や投入時期など具体的なことはまだ決めていない」

――ホンダはCO2の削減を大きな目標に掲げているが、F1などモータースポーツ活動をしていることは矛盾しないのか

 「CO2の削減は地球と人類、企業の存続に関わる重要なことだ。一方で人類や、国、企業の繁栄も大切なことだ。F1は人類に楽しみを与える、繁栄にかかわること。F1でチャレンジして磨き上げた先進の技術がCO2の削減に反映できることもあると考えている」

car.nikkei.co.jp(2008-05-21)