2007年中国自動車初期品質は7セグメント中5セグメントで
  日本ブランドがトップ、J.D.パワーの調査

 CS(顧客満足度)に関する調査会社のJ.D.パワー アジア・パシフィックは、2007年中国自動車初期品質調査(IQS:Initial Quality Study)の結果を発表した。セグメント別ランキングでは、7セグメントすべてでアジアメーカーのモデルが最良となり、そのうち5セグメントは日本車が最良車となった。今回は調査内容を大幅に変更し、不具合指摘項目を増やした。

 IQSは、新車購入後2〜6カ月経過したユーザーを対象に、経験した不具合を指摘してもらい、100台当たりの不具合指摘件数をスコアとして算出する。スコアは値が小さいほど不具合が少なく品質が良いことを示す。今回は、不具合指摘項目を前回までの135項目から228項目に増やし、「壊れる」「動かない」など製造に起因する「製造不具合」と、設計仕様がユーザーの要求を満たさないため「使い勝手が悪い」など設計に起因する「設計不具合」について調査した。調査項目は「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ」「オーディオ/エンターテイメント/ナビゲーション」「シート」「空調」「内装」「エンジン/トランスミッション」の8つの分野に分かれる。

 不具合指摘件数の業界平均は202ポイント。セグメント別の平均スコアを見ると、コンパクトカーが業界平均より1.8倍も多い。セグメント別ランキングにおいてプレミアム・コンパクトカー・セグメントのスズキ「スイフト」は2年連続、MPVセグメントのホンダ「オデッセイ」は4年連続で最良車となっている。不具合指摘が最も多い分野は「エンジン/トランスミッション」で、次いで「走行性能」「外装」となった。この3分野で全体の指摘件数の63%を占める。

 今回の調査では、不具合指摘件数全体に占める設計不具合の割合が小型車では30%だが、高級車では40%になる。同社は、新しい技術や装備品が多く搭載された高級車は、操作が複雑になり、かえってユーザーに不満を感じさせていると見ている。 <<櫛谷 さえ子=日経Automotive Technology>>



techon.nikkeibp.co.jp(2008-02-18)