F1スパイ疑惑、マクラーレンに罰金115億円と得点無効

 【パリ=若水浩】自動車のF1世界選手権に参加しているマクラーレン・メルセデスに、ライバルのフェラーリから技術情報が流出したとされるスパイ疑惑に関して、国際自動車連盟(FIA)のモータースポーツ評議会は13日、マクラーレンを今年のコンストラクターズ(チーム)部門の得点争いから除外、F1史上最高となる1億ドル(約115億円)の罰金を科すと発表した。

 マクラーレンは現在、コンストラクターズ部門で166点で首位だったが無効となり、今季の残り4戦の得点も加算されない。

 一方、ドライバーは、証拠提出の見返りで免責。92点で首位を走る新人ルイス・ハミルトン(英)と、3点差で2位のフェルナンド・アロンソ(スペイン)の得点はそのままとなる。

 事件はマクラーレンの技術ディレクター(停職中)らがフェラーリの上級スタッフ(疑惑発覚後に解雇)からフェラーリの設計図などの技術資料を不正入手したとされるもので、7月に開かれた評議会では「チーム関与はなく、技術流用もなかった」として“無罪”の評決が出ていたが、フェラーリが新証拠を提出、再度、評議会が招集された。

 評決に関し、フェラーリは「真相が明らかになり、満足している」と話した。

 マクラーレンは今季の得点に応じて数十億円のチーム分配金を受け取れる見込みだったが、それはほぼゼロとなる。実際に支払う罰金は1億ドルから分配金減額分を差し引いた額となる。

 また、12月に開く評議会で、来季のマクラーレンの処遇などが決められる。

読売新聞(2007-09-14)