ホンダ、アルゼンチン・タイ・ベトナムに工場を新設

 ホンダは、アルゼンチンとタイに4輪車工場を、ベトナムに2輪車工場を新設すると発表した。また、連結子会社の八千代工業が軽自動車事業の強化に向け新工場建設用地の取得を決定した。

 アルゼンチンの現地法人であるHonda Motor de Argentina社は、1億ドル(約122億円、1ドル=122円換算)を投資し、ブエノスアイレス州に4輪車生産工場を新設する。エンジン組み立て、車体プレス、溶接、塗装、完成車組み立て工程を備え、2009年後半から小型乗用車を生産する予定。生産能力は3万台。アルゼンチンでは経済安定化に伴い、4輪車市場が2002年の9万8000台から2006年に45万台まで急回復した。今後も継続的に成長が見込まれるため、現地生産を決めた。南米地域へ輸出も計画している。

 タイの現地法人であるHonda Automobile(Thailand)社は、62億バーツ(約230億円、1バーツ=3.7円換算)を投資し、既存工場に隣接して第2工場を新設し、2008年後半に稼働を開始する。将来の生産能力は12万台を予定しており、同社の生産能力は既存工場とあわせて24万台に拡大する。新工場は、工場用水の外部排出をゼロとし、水性塗料の採用によるVOC(揮発性化合物質)の排出量削減を目指す。

 ベトナムの現地法人であるHondaVietnam社は、ビンフック省の既存の2輪車生産工場に隣接した第2工場の建設を開始した。投資額は6500万ドル(約79億円)で、2008年後半に稼働を開始する。立ち上げ時の生産能力は年間50万台で、既存工場と合わせてベトナムでの生産能力は年間150万台になる。生産能力拡大により、顧客の多様化するニーズと需要拡大に対応する。

 八千代工業は、軽自動車を生産している四日市製作所の隣接地に工場の建設用地取得を決定した。エンジンや部品などを含めた軽自動車の最適な生産体質の構築を目指す。2009年にエンジン組み立てから稼働を開始する。四日市の工場でエンジンと完成車の一貫した生産体制を構築することで、生産効率や物流効率を高める。<<櫛谷 さえ子=日経Automotive Technology>>

techon.nikkeibp.co.jp(2007-07-18)