都市対抗:ホンダ、4年連続本大会出場

 第78回都市対抗野球予選は25日、南関東で第2代表決定戦が行われ、ホンダ(狭山市)がJFE東日本(千葉市)を降し、4年連続22回目の本大会出場を決めた。JFE東日本は北関東の富士重工業(太田市)、神奈川の日産自動車(横須賀市)、東京の明治安田生命(東京都)と関東代表決定戦(7月2日から大田スタジアム)で、2枠の出場権を争う。

競り負けないチーム目指した安藤監督
 ホンダの6年目・佐伯の一発が勝負を決めた。延長十回2死二塁、カウント1−1。三塁コーチの安藤監督が緊張を和らげるように言った。「ホームランを打ってこい」。スライダーを狙っていた佐伯は頭を切り替えた。捕手らしくこれまでの配球を読んで「次の内角直球を打つしかない」。JFE東日本・三橋の131球目は、読み通りに来た。強振した打球は、左翼席に飛び込んだ。
 ホンダは序盤から苦しい戦いを強いられた。先発の斎藤が一回に3安打を浴び先制を許す。打線も三回1死満塁の好機に佐伯が併殺打。長野の中前適時打などで同点に追いついたのは六回だった。佐伯は「三回の満塁をつぶしたとき、負けるんじゃないかと思った。取り戻したかった」と決勝打を振り返った。
 昨年は優勝候補に挙げられながら、都市対抗ベスト8、日本選手権ベスト4と頂点をつかめなかった。長打攻勢で大勝する半面、接戦ではもろさを見せた。その反省をもとに、今季から指揮を執る安藤監督が目指したのが、競り負けないチーム作りだ。この日の試合でも、犠打を3度成功させたように、手堅い攻めも絡め、昨年とはひと味違うチームに生まれ変わった。
 「今日は我慢比べだと思っていた。春からやってきた野球が、一番大事なところでできた」。感慨深げにグラウンドを見つめる安藤監督の目に、涙が光った。【山本亮子】

《追記》
  ☆本田技研工業情報「Honda硬式野球部」ここをクリック

毎日新聞(2007-06-25)