入社式での自動車各社社長メッセージ

 トヨタ自動車(渡辺捷昭社長)
 新入社員の皆さんには「トヨタウェイ」と呼ばれるトヨタの価値観や働き方を理解してもらいたい。それに関連して心がけて欲しいことが三つある。何よりもまずお客さま第一を考えるということ。それが世の中のため、社会のため、人のためになるという使命感を持ってほしい。二つ目は常にチャレンジ精神を持って自らを成長させていくこと。三つ目はチームワークを大切にすること。今日からトヨタというチームの一員として頑張ってもらいたい。

 ホンダ(福井威夫社長)
 自動車業界は地球環境の保護という重要な課題を抱えている、非常に厳しい業界であり、このような中で「お客様の期待」に応え続け、そして期待を上回るために努力し続けなければいけないことを意識してほしい。時には失敗することもあるが、全力で取り組んで失敗しても、それは失敗ではない。重要なのは、同じ失敗を二度と起こさないこと、そして失敗した後はスピーディーに原因を追究し、リカバリーすることを実行してほしい。

 日産自動車(カルロスゴーン社長)
 モチベーションを持って、常に学ぶ姿勢を持ち続け、トランスペアレンシー(透明性)と誠意を忘れなければ、日産は皆さんにとって成長の場となり、必ず会社に貢献することができるでしょう。今はその貢献が効果的に現れるときでもある。みなさんは、挑戦に立ち向かう日産の一員となりました。私たちは今、必ずや実現できる高い業績を目指し、一丸となって力を一層高めている。これから素晴らしい冒険が始まる。健康に気をつけて、この日産というステージで幸せと成功をつかんでください。

 スズキ(鈴木 修会長)
 社会人としての基本の第一は健康であってほしいということです。また、これからは学生時代と違ってわがままは許されません。そういう点でチームワークを組んで仕事をやっていただくということ。それからそれぞれ会社に組織がありますから規律ある仕事をしていただく。この3つ、健康であること、チームワーク、規律を守るということを皆さんにお願いします。3兆円を売り上げたというものの自動車業界の中では私たちは中小企業であるという位置づけです。世界の中でスズキがどう戦うかを考えて下さい。

 ダイハツ工業(箕浦輝幸社長)
 当社は3月1日をもって「100周年」という大きな節目を迎えることができました。スモールカーという「サイズ、価格」に厳しい制約がある分野で、世界に誇れる技術を多くのお客さまに評価していただき、今日に至っています。これからの100年は、もっともっと積極的に世界の市場に挑戦していくことと、小さくて高性能で経済的というダイハツ独自の技術力をさらに強化していくことが必要です。

 マツダ(井巻久一社長)
 「変革」を実現するために、まずはじめに大切なことは、現状に満足することなく常に向上を目指す姿勢です。新入社員の皆さんは今後、さまざまな現場でご自分の仕事に取り組むことになりますが、そこですべてが皆さんにとって新鮮な体験となるでしょう。新鮮な目付きゆえに先輩達が気付かないような疑問や気付きにも多く直面すると思います。そこで仕事の質を向上させるための課題や改善点を見つけたら、今自分に何ができるのかを考えてみよう。「自分発の変革」の第1歩はそこから始まります。

 三菱自動車(益子 修社長)
 社員ひとりひとりに大切にしてもらいたいことは「決断」「成果」「スピード感」の3つ。入社間もないみなさんに実感していただくことは難しいが、厳しい競争の中で他社よりも一歩でも二歩でも先に行くためには必須である。企業は社会のため、従業員のために進化し続ける事を求められている。みなさんはまず、しっかり現状を自らの目で、耳で学びとってください。ただし、常に現状肯定の思考ではなく、また安易に妥協する事なく、創意工夫を重ね「今を変えていこう」という気持ちを持ち続けてください。

記:木田橋 義之(2007-04-13)