ホンダと地球環境産業技術研究機構、
セルロース系バイオマスからエタノール製造技術を共同開発

 ホンダと地球環境産業技術研究機構(RITE)は、植物由来の再生可能資源であるセルロース系バイオマスからエタノールを製造する技術を共同開発したと発表した。既存のエタノール製造の原料であるサトウキビやとうもろこしの糖質・でん粉ではなく、植物の茎や葉など食用ではない部分(ソフトバイオマス)を使用し、含まれているセルロース類からアルコール燃料を製造する技術「RITE-Hondaプロセス」を確立した。

 RITE-Hondaプロセスでは、ソフトバイオマスからセルロース類を分離し、セルロース類を糖化させ、微生物を使って糖からアルコールに変換し、アルコールを精製するという4つの工程からなる。

 既存技術では、セルロースの分離工程での副次生成物である発酵阻害物質が、糖からアルコールに変換する微生物の働きを妨げていた。今回、微生物としてRITEが開発したRITE菌を使用することにより、発酵阻害物質の影響を大幅に減少させ、アルコール変換の効率を大幅に向上した。

 今回の技術開発により、ソフトバイオマスからエタノールを製造するための基礎課題がすべて解決したという。今後、4つの工程を連携するシステムの開発に取り組み、さらに連携システム内でエネルギをリサイクルして省エネルギ化と低コスト化を図る。工業化に向けて研究を進めるとともに、製造システムの社会適合性や経済性を検証するため、試験工場での実証実験も計画している。 <<櫛谷 さえ子=日経Automotive Technology>>

《追記》
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techon.nikkeibp.co.jp(2006-09-14)