米国で高級車ブランドと大衆車ブランドの耐久品質の差が縮小、J.D.Power社の調査

 CS(顧客満足)に関する調査会社であるJ.D.Power Associates社は、2006年の米国自動車耐久品質調査「2006 Vehicle Dependability Study(VDS)」の結果を発表した。高級車ブランドと大衆車ブランドのスコア差は15ポイントで、2003年調査時の31ポイントと比べて半減しており、耐久品質の差が縮小していることが分かった。

 VDSは、新車購入後3年を経過した時点での耐久品質について調査したもの。2003年型車の乗用車およびライトトラックを新車から乗っているユーザーに、「走行性能分野」、「エンジン分野」、「トランスミッション分野」など九つのカテゴリーについて経験した不具合を調べ、4万7620人から回答を得た。100台当たりの不具合指摘件数を算出し、スコアが低いほど耐久品質が良いとする。

 大衆車ブランドは、主に「走行性能」と「エンジン・トランスミッション」の二つの分野で、耐久品質が向上している。格差縮小は、ブランド別ランキングで、大衆車ブランドが多数上位にランクされていることにも表れている。

 ブランド別ランキングでは、12年連続でトヨタ自動車の高級車ブランド「Lexus」がトップになった。2位以下は米Ford Motor社「Mercury」、米GM社の「Buick」「Cadillac」が続き、「Toyota」が5位となった。業界平均は227ポイントで、業界平均以上の耐久品質を示したのは13ブランド。ドイツBMW社の「MINI」と韓国の「Kia」は業界平均以下だったが、前回調査と比べてMINIは27%、Kiaは22%と大幅に改善が見られた。

 セグメント別ランキングでは、19セグメント中LexusとToyotaが4セグメントずつ、「Honda」が3セグメントでトップを獲得した。その他の8セグメントでは、「Acura」「Buick」「Cadillac」「Chevrolet」「Ford」「Mazda」「Mercury」「GMC」がトップとなった。

 J.D.Power社は「中古車価格、他社への推奨意向、再購入意向、部品交換・修理コストの点から見て、自動車耐久品質はメーカーの利益に大きな影響を与える」とし、メーカーにとっては無視できない問題であるとした。<<櫛谷 さえ子=日経Automotive Technology>>



techon.nikkeibp.co.jp(2006-08-11)