ホンダ、中国の知識産権局を提訴・SUVの意匠権無効で

 【上海=川瀬憲司】ホンダは日本の特許庁に相当する中国の国家知識産権局の決定を不服とし、北京の裁判所に取り消しを求め提訴することが22日分かった。ホンダはSUV(多目的スポーツ車)「CR―V」のデザインを中国のメーカーが模倣していると主張しているが、同局は今月7日にホンダの意匠権の無効を決定。ホンダは司法の場で争う方針を決めた。

 この問題は中国の双環汽車(河北省石家荘市)のSUV「S―RV」の外観が「CR―V」に似ているとしてホンダが2003年に北京の裁判所に損害賠償訴訟を起こす一方、双環側が知識産権局にホンダの意匠権無効を申し立てていた。

 ホンダは01年に同局に対し「CR―V」の外観設計に関する意匠権を申請し02年に認められている。しかし、同局は今回、「現在の『CR―V』の外観設計が95年に発売した最初のモデルと似ていて、消費者が混同する」ことを理由に「CR―V」の意匠権そのものを取り消した。ホンダは中国の法律に基づき、決定の3カ月以内に北京市第一中級人民法院に提訴する方針。

日本経済新聞 朝刊(2006-03-23)