北米が好調のホンダ,売上高は5年連続で過去最高を更新

 ホンダは,2005年度中間期の連結決算を発表した。売上高は,北米での好調な販売を反映して前年同期比10.5%増の4兆6022億円となり,中間期としては5期連続で過去最高を更新。ただし,営業利益は販管費や研究開発投資の増大で,前年同期比並みの3330億円となった。純利益も,中間期としては,5年連続で過去最高を更新。これに伴い,2005年度の通期業績見通しは売上高を9兆4300億円から9兆6000億円に,営業利益を6650億円から6750億円へと上方修正した。

 北米での販売が好調な4輪事業は,上半期の販売台数167万4000台(前年同期比6.9%増)で,売上高は11.0%増の3兆7386億円。2輪事業は,アジアでの海外生産用部品の減少で前年同期比4.0%減の507万台だが,売上高は0.8%増の5509億円となった。

 第2四半期に着目してみると,4輪事業,2輪事業,金融サービス事業,汎用事業のいずれも売上高は伸長。4輪事業の販売台数は,前年同期より5.0%伸びて83万4000台,売上高は前年同期比11.7%増で1兆8926億円。特に北米での「Civic」「Odyssey」の売上げが伸びているという。ただし,営業利益は前年同期に比べ15.9%減って1010億円となった。中でも北米での営業利益率は,ここ数期連続して低下しており,今期は売上高が19.5%も伸びているのに対し,営業利益率は5.4%と前年同期よりも2.4ポイント下がっている。これは,「在庫が多く,インセンティブ費用が増大している」(同社代表取締役副社長の青木哲氏)ことや,北米での金利の上昇などが原因。北米はガソリン価格の高騰で,燃費の悪いライトトラックのマーケットがやや縮小気味で,乗用車の割合が増えている。こうした機種構成の変化によって発生した在庫のほか,旧型Civicをさばくためにインセンティブが増えているという。やはり利益率の低い欧州は,競争の激化によるインセンティブの増大に加え,市場のニーズが小型車やディーゼル車にシフトしつつあるためコスト高となっているようだ。

 一方,日本とアメリカに投入した新型Civicは,好調な滑り出しのようだ。日本での販売台数は2000台/月でほぼ目標通り。アメリカは,2005年9月9日〜同月末までに6800台を販売。ハイブリッド型に対する関心も高いという。欧州でのインセンティブの問題も「今後新型Civicを投入すれば改善するだろう」(青木氏)と大きな期待をかけている。 <<吉田 勝=日経ものづくり>>

《追記》
  ☆本田技研工業情報「2005年度上半期 連結決算の概況 および 通期業績見通し」ここをクリック

日経BP(2005-10-27)