「顧客満足日本一」の理由、
ホンダクリオ新神奈川・相澤賢二社長

 ホンダクリオ系列で8年連続顧客満足度(CS)日本一。ホンダクリオ新神奈川の相澤社長は、「先輩がマニュアル」「社員はファミリー」がCSのカギだと力説する。

――CSを高めるために、どんな工夫をしていますか?

相澤 我々はお客様に自動車を「売る」のではなく、お客様から「買っていただく」のです。お客様に目線を合わせることが、何よりも大切です。

 その手段として、当社はお客様に書いていただくアンケート葉書に力を入れています。そして「褒めていただいた点」「満足いただけなかった点」など、さまざまな情報をファクシミリで毎日、各店舗に流して、社員が回覧することを徹底しています。

 アンケートを読む際、その字面だけを眺めればいい、というわけではありません。はっきりとは書いてなくとも、その背後にCS向上の大きなヒントが含まれる、ということもあるのす。それほどお客様の声は大切なものであり、注意しながら読まなければなりません。そして気が付いたことがあれば、それをすぐ、実行に移すのです。

 よく誤解されることですが、自動車を買う際、商品の魅力で買う人は、意外なくらい少ないんです。むしろ大切なのは「店」と「人」。これはアンケートからもはっきりしています。
「気分のいい店」「社員の良さ」が「買っていただく」際の大きな理由になっているんです。逆に言えば、お客様は、ハードである自動車の故障についてならば修理すれば許してくれる。しかし例えば「お客さんが来ているのに、社員同士がおしゃべりしていた」となれば、お客さんは「もう、ここには二度と来ない」となってしまうのです。
 このため当社では人材の育成、店舗づくりに力を注いできました。その工夫の積み重ねが、現在の顧客満足度の高さにつながっているのだと思います。

nikkeibp.jp(2005-05-20)