「無限」元監査役の会社に26億円の返還命じる

 ホンダ創業者・故本田宗一郎氏の長男で、著名なレース用エンジンメーカー「無限」(埼玉県朝霞市)の社長を務める原告が、「会社の資金で承諾なく土地を買われた」などとして同社元監査役の男性が経営する会社に約26億円の返還を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。宇田川基裁判長は請求通り全額返還を命じた。

 判決によると、社長らは2000年、故宗一郎氏の記念館を建てるための用地調査を元監査役に依頼。その後、不信感を抱いて中止を指示したが、元監査役は「無限」の口座などから計約26億円を自分の会社に移し、東京都港区の土地を買った。

 元監査役側は「資金移動は社長側の借入金の返済などのため、社長の了解の下で行われた」などと主張したが、判決は「主張のような会計処理はされておらず、承諾もなかった」として不当利得だと結論づけた。

 社長と元監査役は「無限」をめぐる法人税法違反(脱税)の罪で起訴され、さいたま地裁で公判が続いている。

asahi.com(2005-05-20)