英ローバー、解体へ・従業員5000人削減

 【ロンドン=佐藤紀泰】先週経営破たんした英自動車メーカー、MGローバーが解体される見通しとなった。管財人を務める大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が15日に発表した声明によると、支援先企業として期待した中国大手の上海汽車工業との交渉が失敗し、「ローバーを救う希望がなくなった」として、従業員5000人の削減を発表した。

 ブレア英首相は同日、解雇される従業員に対して1億5000万ポンドの資金援助をする方針を表明した。

 MGローバーは現在も毎月2000万ポンド(約40億円)規模の赤字が続いているとされ、存続には資金力のある支援先企業が必要だった。だが、昨年ローバーと技術提携した上海汽車は15日までにPwCに対して支援に乗り出す考えがないことを通告。このため、PwCは現状のままの売却や、資本参加を仰ぐことが難しいと判断し、大幅な人員削減を決定した。

NIKKEI NET情報(2005-04-16)