トヨタ、08年に970万台生産へ
 GM超えも視野に

 トヨタ自動車が、ダイハツ工業と日野自動車を含むグループ全体の08年の世界生産の計画を、970万台に設定していることが明らかになった。04年実績より29%多いが、現在の生産・販売の好調さからみれば達成できる可能性が高く、08年に米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて自動車メーカー世界一に躍り出る公算が大きい。主力市場の北米や高成長が続く中国などで現地生産を拡大する。

 03年度に立てた08年を最終年にする中期経営計画を上方修正した。堅めの計画なので、実際には1000万台の大台に乗り、10年代に世界生産1000万台としていた従来の目標を前倒しで達成する可能性もある。

 GMは04年の世界生産台数を明らかにしていないが、ほぼ同規模の販売台数(小売りベース)は899万台。トヨタの04年の世界生産は754万台にすぎない。

 しかし、GMは主力の北米でトヨタなどに押され、多額の販売奨励金をつぎ込んで販売台数を確保しているのが実情で、経営悪化に苦しんでいる。一方、トヨタは05年の世界生産で前年に比べて58万台多い812万台を計画しているのに加え、最近、年間の生産計画を毎年のように途中で上方修正している。

 トヨタ単独の08年の生産台数は、04年より約29%多い約870万台と設定。国内は約400万台と04年に比べて微増だが、海外は同約55%増の約470万台に伸ばす。

 北米では、今年前半にハイブリッド車の現地生産を決め、06年には米テキサス工場が稼働する。次の工場建設も検討中で、08年の生産台数は04年実績より約100万台多い250万台を狙う。

 欧州では、2月に稼働したチェコ合弁工場の生産拡大や既存工場の能力増強などで、倍増の約120万台を見込む。ロシアにも、第2の都市サンクトペテルブルク周辺に近く工場進出を決める。

 中国では今月、クラウンの現地生産を開始。年内にハイブリッド車の生産も始めるほか、06年に広州で合弁工場が稼働する。新興市場向け戦略車「IMV」が好調なタイでは三つ目の工場建設が視野に入っている。

asahi com.情報(2005-03-29)