GM・フォードが苦境、日本車攻勢でシェア低迷

 【ニューヨーク=田中昭彦】米自動車の2強、ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターが揺らいでいる。日本車の攻勢で北米でのシェア低下が止まらず、収益源だった金融事業も金利上昇などで頭打ち。工場閉鎖など合理化策を打ち出すが、ヒット車不在のなか苦境が続く。

 2004年の純利益はGMが前年比3%減の約37億ドル、フォードは同7倍の約35億ドルだった。「手堅い業績」(GMのワゴナー会長)、「勢いが出てきた」(フォードのフォード会長)と自賛するが、利益の大半は金融事業。自動車事業の低迷を覆い隠しているにすぎない。

 その金融事業も、GMは昨年末で天井を打ったとみる。資金調達コスト増で今年は前年比14%弱の減益を予測する。

 本業の自動車事業の低迷はさらに深刻だ。フォード会長は「再建は完了した」と語るが、4年連続で赤字。GMも10―12月期は税効果分(1億6000万ドル)によって底上げされた状態で、「急回復は望めない」(有力アナリスト)との見方が多い。

日本経済新聞 朝刊(2005-01-23)