ホンダ、時速3キロで走る「ASIMO」を発表

 ホンダは15日、ニ足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」を改良、世界で初めてという「走る」ことができる新モデルを発表した。衝撃吸収や姿勢制御で新技術を採用、時速3キロで人のジョギング程度の動きで走れる。歩行速度も従来の時速1.6キロから時速2.5キロに上げ、ボディーもわずかに大型化した。

 「走る」時にすばやく足を動かすことで発生する力を吸収するため、腕の振りに加えて腰を回転させるなどして安定した姿勢制御が可能になった。走行で問題になる対地衝撃も、脚部センサーからのデータを計算する速度を速めることで対応している。

 歩行では、あらかじめ記憶した地図情報と床面センサーで実際の地形を照合しながら歩き、障害物を避けながら立ち止まらずに目的地まで移動できるようになった。従来機では、位置の認識に誤差が出ると静止して位置情報を調整する作業が必要だった。

 対人動作では頭部に視覚センサー、手首に力を感じるセンサーを備えることで、人の動きをよりスムーズに検知できるようになった。握手の際も相手の動作に合わせて手を差し出す動作や、押された場合に足を踏み出す動作もできる。

 ホンダでは新モデルを次世代アシモと位置づけ、オフィスでの仕事の補助などの役割を想定している。開発している本田技術研究所では「2010年までにアシモと一緒に働きたい」(ホンダ常務の伊東孝紳氏)という話も出た。

《 参照 》
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NIKKEI NET 情報(2004-12-15)