無農薬有機栽培の研究

 2003年度ホンダ「農を楽しむ会」が11月27日東上線和光市駅南口「ととや」で開催された。年1度の会合、今回で6回目の開催となる。会員38名中参加者19名。収穫品を各自持ち寄り、それを分配して持ち帰る。今回は農作業実体験に基づく貴重な農作業ノウハウを各自披露した。その中から大倉孝男さんのノウハウを紹介する。<<記:ohsann>>


1.目的
1)業界水準を上回る単位面積あたりの収穫量達成と畑の稼働率UPを計り、
  狭い畑で野菜の自給自足を狙う。
2)市場では入手不可能な安全性の高い「農薬レス」の野菜を育て、
  安心して「食」を楽しめる生活を実現する。
3)常に新鮮な研究素材に着手し呆け防止を計ると同時に、余命短し
  我が人生を悔いのないものとする。

2.目標
1)標準穴ピッチ以上の密植、そして土壌改良、施肥改良で
  苗あたり収穫量UPを具現化する。
2)農薬レスは植物エキスを軸に多種多彩な混合液を開発しトライする。
3)研究素材の狙い目は堆肥材と植物エキスの応用を手始めに展開する。

3.タイムスケジュール
1)第一期(1998年〜2002年):野菜作りの基礎を学ぶ
2)第ニ期(2003年〜2005年):農薬レスと土壌改良の基本コンセプト完成
3)第三期(2006年〜2009年):安全野菜で自給自足をエンジョイ

4.第二期初年度(2003年)の経緯
1)土壌改良
1)-1 天地返し---サツマイモでトライ、3kg級収穫
1)-2 「シリコン酸化物+魚粉」(ムクダイ)の投入による土壌の活性化
    ---果菜、根采、白菜、キャベツ
1)-3 各種堆肥の活用---「落葉の堆肥」「樹皮の堆肥」「ゼオライト入り
    セルローズの堆肥」---全野菜
   *落葉の堆肥は落葉・米糠・鶏糞を混ぜ自作。
    樹皮の堆肥とセルローズの堆肥は農協より購入。
1)-4 木酢液の活用---ニンジン、オクラはMUST
1)-5 深耕による土中の酸素濃度アップ---根が張る野菜
1)-6 各種有機肥料の活用---「米糠」「油かす」「鶏糞」「魚粕」
   「カニの甲羅粉」「骨粉」---全野菜
1)-7 ミネラル補充---「苦土」「にがり」---にがりは入手先検討段階

以上適用結果:
キュウリ(61本/苗)、ピーマン(554個/)、シシトウ(326本/9月迄)、万願寺唐辛子(157本/)、赤唐辛子(850gr/)、ジャガイモ(32kg/1.8kg種芋)、キャベツ(3kg/)、長芋(4kg/)、京芋(4.5kg/)

2)農薬レス虫害対策
1)虫害対策は次の様に分類し
  「予防保全」に力点を置く
  A)土壌の中の害虫:
    ネマトーダ、
    よとうむし、
    ハリガネムシ、ムカデ、ネキリムシ等
  B)外から飛んでくる害虫:
    B-1)蝶、蛾の類、コガネムシ、カメムシ、蝿、バッタ、
       テントウムシだまし等
    B-2)アブラムシ
  C)地上を這ってくる害虫:ナメクジ、カタツムリ、コオロギ等

2)2003年は下記A) B) C) を実施し、赤字項目に顕著な効果が認められた
  A)土壌の中の害虫:
   「冬季の霜あて」「夏季の陽あて」「土中の幼虫の捕獲排除」
   「木酢液土中へ撒布(50倍希釈液)」
「ムクダイ撒布」「黒マルチ」
  B)外から飛んでくる害虫:
    B-1)「防虫ネット張り」「防虫ネット端末を完全に土でシール」
       「目視捕殺」
「昆虫採集網で蝶や蛾を捕捉」
    B-2)「植物エキス「防虫剤」「植物エキス殺虫剤」「銀色マルチ」
  C)地上を這ってくる害虫:
    B-1)に同じ

《 追記 》
 植物エキス活用による防虫剤、殺虫剤の開発(ここをクリック)

記:大倉 孝男(2003-11-10)