なぜ2月は28日までなのか
(「雑学のすすめ」より)

 なぜか2月だけ28日で終ってしまう。 閏年の時は29日になるが、この調節も2月で行われる。 1年が365日という暦は、BC46年にジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)によって定められたユリウス暦が最初だ。 この時すでに1年を365日とし、4年に1回を閏年とすることも定められた。
 現在日本を初め世界の多くで使用されているグレゴリオ暦はこのユリウス暦を修正したもので、2000年以上も前にこれほど正確な暦を使っていたことは驚く。 しかし、1年が365日でこれを12ヶ月に割った場合、30日と31日の月でいいはずだ。 つまり、31日の月を5ヶ月、30日の月を7ヶ月で365日になる。
 しかし、実際には31日の月が7ヶ月、30日の月が4ヶ月、28日の月が1ヶ月で365日になっている。 何月が31日まである月か調べるのに、こんな方法を使う人はいないだろうか。 握りこぶしを作る。 すると、各指の付け根の関節が盛り上がる。 人差し指の付け根の盛り上がりが1月になる。 2月は人差し指と中指の間、3月は中指の関節の盛り上がり・・・といった具合である。 盛り上がっている月が31日、指と指の間の月が30日(2月は28日)となる。

 しかし問題は小指まで行った時である。この方法で行くと小指の付け根のところで7月になる。7月は31日までだからこれで良いが、折り返す時に薬指との間にすぐに行かないで、もう一回小指の付け根で8月を数える。 小指の付け根の盛り上がりは2回連続して数える訳だ。 すると、9月以降もまたこのパターンで数えることができる。

 こう考えてみると、どうも8月からパターンが乱れているな、と怪しく思えてくる。 7月は英語でJulyと言うがこれはこの月生まれのJulius Caesar(ジュリアス・シーザー)から来ている。彼は大ローマ帝国の礎を作った英雄だが、クレオパトラとの恋でも有名だ。
 余談だが、帝王切開(彼がそうだったらしい)という言葉の由来にもなっている。

 彼は諸国を遠征するのに統一した暦の必要性を感じ、ユリウス暦を作ったのだが、この頃は農耕が始まる3月を1年の始まりとしており、3月から31日の月を大の月、30日の月を小の月として交互に並べた。 そして、最後の2月が29日になって、1年を365日とした。 閏年の時は2月を30日とした。
 しかし、問題は彼の後を継いだ甥のAugustus Caesar(アウグストゥス)だ。 彼はシーザーの後を継いで、ローマ帝国の初代皇帝になった人だが、当時混乱していたユリウス暦を修正し、自らその功績をたたえて自分の生まれ月の8月をAugustとし、2月から1日持ってきて小の月(30日)から31日までの大の月としてしまった。
 そして、その後の月の大小も並べ替えてしまって今のような形になったという顛末。 しかし、2000年も前の人の威光が今も生きていて、月の名前になってしまった上に、1ヶ月の日にちまでも決めてしまうとは・・・。
 因みに、9月以降はSemtember、Octorber、November、Decemberというがそれぞれラテン語で7、8、9、10を表していて、本当の月と2ヶ月ずれている。 これは1年の始まりが3月だったことから来ている。10月などは6本足のタコOctopusからも8とわかりやすく、「どうして10月が8か知っている?」なんて面白いネタかもしれない。

 2003年も相変わらず瞬く間に時は過ぎていくようだ。 2月もわずか、知っておられる方も多いと思いますが、ご紹介しました。

記:木田橋 義之(2003-02-23)