農薬漬けの野菜に思う

 野菜をつくり初めて2年になり、野菜について少しづつ分りかけてくる。スーパーなどの野菜売り場に行くたびに思うことがある。昨年までは無農薬有機栽培80%などの表示が今年は見かけなくなった。表示基準が改訂されインチキ表示は取り締まるという効果の表れか。無農薬有機栽培では採算が成り立たないということであろう。それにしても野菜売り場の野菜には虫が食った痕跡が全くない。美しい野菜である。

 いま栽培しているキャベツ・ハクサイ・コマツナ・カブ・ホウレンソウなどは、畑にタネをまいた直後に防虫ネット(網の目の間隔が1.5mm)をかけて栽培している。この防虫ネットの網の目をくぐって進入してくる虫がいるらしく野菜の葉っぱには小さな虫食い穴が方々にあいている。
 まわりの畑を見ると、キャベツ・ハクサイなどの根回りに粒状の薬剤をまいている。これらの薬剤の成分が野菜の葉に吸収され、それを食べた虫が死ぬわけである。
 例えば、エダマメは7月以降の栽培は、虫がついて難しいと言われるが、これも根回りに薬を撒くと虫がつかないとOBの金志さんが教えてくれた。この薬は規制の対象になったのか今年は入手が困難になってきた。
 米については6月に入り穂が出る時期に決まってヘリコプターで空中から薬剤散布を行っている。ぶどう園も6月、一面に農薬散布を行っている。
 ここ2年の早朝ランニングは往復11kmを畑ばかり見ながら走っているので農作業の細部も見逃さない。

 毒花は美しいというが野菜売り場の野菜が最近は毒花に見えるようになってきた。
 野菜づくりはささやかな自己防衛策でもある。

記:大澤 敏夫(2001-11-12)