野菜づくり事始め記 =その2=
《 2年目の課題 》

 1年目を振り返って
 1年目は借りた60坪の土地の開墾作業がメインの仕事であった。地下20cmと30cmにある粘土層を耕すことが大変であったが今年2月にやっと完了した。60坪の畑を3.8mх1.5mを1区画とし、36区画に分割して管理した。 これは連作障害を避けるための管理を容易にするためと、「作った野菜は捨てない」、夫婦2人で食べれる量のみを作るためである。出来るだけ多くの野菜を作って様子を見ようと昨年は36種類の野菜を栽培した。また「無農薬有機栽培の難しさは何か?」を三現主義で把握する年であった。特に虫の襲撃のすさまじさには対策が課題であった。

 2年目の半年が経過して
 野菜づくりの新年は3月から始まる。昨年の野菜づくりは苦しさの中に喜びを感じた。今年は開墾作業を終え野菜づくりの苦しさが解消した。毎日平均1時間半畑へ出かけている。

 新しい情報を求めて川鶴団地付近にあるEGOB金志さんの畑を6月に見学した。金志さんは数年前には野菜づくりに力を入れて百坪位栽培していた。今は鶴ケ島市青少年育成委員をボランティアで担当するなど忙しく2/3に減らしている。新しい情報はスイカの栽培である。小畔川沿いに生えている葦をとり、畑に敷いて栽培している。付近の多くの畑が金志さんのノウハウを取り入れてスイカを栽培している。このアイデアをもらい、来年はスイカを栽培しようと思う。

 昨年からのトライでうまくいった事例としてイチゴがある。今年は1区画から3区画に栽培面積を増やした。来年は数百個のイチゴの収穫が見込める。
 今年ジャガイモは男爵を4区画植えた。大きなおいしいジャガイモが収穫出来、お裾分けした人に喜ばれた。 今年はジャガイモの購入は必要なさそうである。

 出来すぎて困ったものとしてナスがある。8株植えたため7月から8月末まで2ケ月間毎日数個のナスを食べることになった。いくら好きでも最後には食べることが負担に感じられてきた。来年は株数を4株くらいに減らそうと思う。

 昨年の体験からおいしくかつ強い野菜は旬な時期に栽培することであると改めて認識し野菜づくりの基本方針に加えた。いまキャベツ・ハクサイ・小カブ・シュンギクの種をまき終え、これから小松菜・ホウレンソウの種をまく。特に虫が好むキャベツ・ハクサイには芽が出たところで防虫ネットを被せた。今年は天候の影響か虫が特に多い。付近の畑のキャベツは虫の被害で壊滅的である。私の虫対策はいろいろと研究した結果、単純明快な防虫ネットを被せることである。全ての畝の寸法を標準化したため防虫ネットの寸法は1種類でよい。虫の環境対応能力の凄さの1例を紹介する。昨年12月末の冬至の日、この頃の畑は毎朝真っ白に霜が降り凍りついた状態になる。キャベツを数株栽培していた、そのキャベツの葉を詳細に見るとモンシロチョウの幼虫のアオムシが20数匹いるではないか、環境対応能力の凄さに唖然とした。このような環境対応能力がないと自然界の生存競争に勝ち残っていけないということであろう。この時期はアオムシの天敵であるハチ類は飛んでいない。早速捕殺したが今年はそのような殺生を行う必要がない。

 2年目になっても上手く行かないことは、苗を自宅で育てることである。例えば、トマトやナスの苗を自宅で育てると農協で売っているような力強い苗にならない。か細いヒョロヒョロとした苗になってしまう。 ハクサイ・キャベツ・レタス・タマネギも同様であった。ノウハウをお持ちの方はぜひご教授をお願いしたい。

 5月末から畑で収穫した野菜を食べなかった日はない。野菜づくりの喜びは山登りやランニングのように内面的な喜びだけでなく、実物である収穫物があり、それを食べる喜びがあり、お裾分けした人に喜んでもらえる喜びがある。すなわち、二重の喜びがあるといえる。

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記:大澤 敏夫(2001-9-19)