トロロッソ・ホンダ 状況一変、苦戦の中国GP

 4月15日に行なわれたF1中国GPで、トロロッソ・ホンダの2台は4位入賞の活躍を見せた前戦バーレーンGPとは打って変わって大不振に陥った。15番グリッドのブレンドン・ハートリーは最下位に落ち最後は自主的にリタイア、17番グリッドのピエール・ガスリーはウイリアムズやザウバーとの戦いに終始して15位チェッカー、10秒加算ペナルティーで最終結果は18位となった。

 金曜フリー走行ではまずまずのフィーリングだったものの、セットアップ変更を施した土曜から状況が一変。ドライバーたちは「リアのグリップと安定感がなく自信を持ってドライブできない。トラクション(加速時のグリップ)がなくパワーがかけられず、前のクルマを追い抜ききれなかった」とこぼした。これがセットアップのせいなのか、土曜からの寒さと強風のためなのか、それともコース特性とマシンの相性のせいなのか、チームは結論を導き出せないまま予選・決勝ともに大苦戦を強いられた。

 これについてホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは次のように総括した。

 「金曜からパフォーマンスが全体的に良くなかったということで、金曜の後にFP−3と予選に向けてセッティング変更をしたんですけど、それもパフォーマンスの向上をもたらしてくれませんでした。土曜日は外気温と風(不調の原因として考えられる)要素があったので、そのコンディションが違う今日のレースでどうなるかと思ったんですけど、状況は変わらず、何がそういう結果を招いたのかということをチームとして解析して次のレースに臨まなければならないという話になっています。まずは原因がエアロ(空力)なのかタイヤなのかメカニカルグリップなのか、その辺りをしっかりと見て次のグランプリに進みたいと思っています」

 前戦バーレーンGPで改良型を投入したパワーユニット側はこれといったトラブルもなく、最高速も伸びた。しかしマシンパッケージとしてのパフォーマンスが充分でなく、大接戦の中団グループの中では大きく順位を落としてしまった。コース特性とマシン特性の相性によって中団の勢力図はレースごとに入れ替わるが、今回のトロロッソはコースが合わないという以上の差をライバルに付けられた。つまり運用面に問題があったはずだというのがチーム側の見立てだ。

 「中団グループはかなりの接戦になっていてちょっとしたことで順位が入れ替わりますが、今回はその範疇以上に(パフォーマンスが)沈んだというのがチームの受け止め方です。今回はどこが悪かったのか、どうすればバーレーンのようなパフォーマンスを発揮できるのかということをしっかりと把握できれば、一歩前に進むことになると思います。次戦バクーまでに全て解析して全部理解しろ!っていうのが(チーム代表フランツ・)トストの号令です」
(米家峰起通信員)

《追記》
☆本田技研工業情報 「 F1中国GP決勝レポート」ここをクリック

nikkansports.com(2018-04-15)