空飛ぶ電動タクシー実用化へ、独リリウムが9000万ドル調達


 空飛ぶ電動タクシーの実用化を目指すドイツのスタートアップ、リリウム(バイエルン州)がシリーズB(第2段階)の資金調達で9000万ドル(約99億円)を調達した。同社は4月に電動ジェットエンジンを搭載した2人乗りの実物大プロトタイプを使い、垂直離着陸(VTOL)から水平飛行に移行する世界初の飛行に成功。今回の分も含め合計1億ドル以上の調達資金を元に実用機の開発を進め、2019年には5人乗り商用機での有人初飛行を計画。さらに2025年にはウーバーのようにスマートフォンで呼び出せる空飛ぶタクシーサービスの開始を予定している。

 5日に発表したシリーズBでは、中国IT大手のテンセントはじめ、国際的なプライベート銀行のLGT、スカイプ共同創業者のニクラス・ゼンストローム氏のアトミコ、ツイッター共同創業者のエヴァン・ウィリアムズ氏が創業したオブビアス・ベンチャーズが出資した。

 同社独自の電動ジェットエンジンを積んだ垂直離着陸(eVTOL)機の「リリウム・ジェット」はエネルギー効率が高いのに加え、低騒音で排ガスもないため、人口が密集した都市部での飛行に適しているという。1回の充電で1時間飛行でき、飛行速度は自動車やヘリコプターを上回る最高時速300キロメートル。

 同社では、ニューヨークのマンハッタンから19キロメートル離れたJFK国際空港まで5分以内で行け、通常のタクシーで道路を走るよりコストが安くなると予測している。

nikkan.co.jp(2017-09-09)